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日常茶飯事とお仕事と

「名詞+ください」の違和感

仕事で「名詞+ください」という組み合わせを多用する人が結構います。たとえば

  • 着手ください
  • 着席ください

みたいな感じですね。極めつけは

  • ケアください

もありました。正直こう言われると「ケアしてほしいのですか?」「あなたのケアを、私にください」という要求の言葉に聞こえてしまいます……。

本来の使い方

この「ください」は、ストレートな意味だと「くださる」の命令形、それも尊敬語としての形式になったものですが、もう1つの使い方があります。他の動詞にくっついて利用される「補助動詞」です。その場合、使い方のパターンとしては

  • 「お」を付けた動詞の連用形につなげて、要望を伝える
  • 「お」を付けた動詞の連用形に接続助詞「て」をつけて、要望を伝える
  • 「ご(御)」を伴った漢語(←ざっくり言うと名詞)

dictionary.goo.ne.jp

ただ、この「名詞を付ける」場合はサ変活用可能な名詞、すなわち「する」をくっつけることで動詞として使えるものに限るようです。たとえば

  • ご着席ください
  • ご購入ください

などですね。本来はこのように、「名詞+ください」は「御」がついて敬語扱いの丁寧な表現のはずなのですがこの「御」を省略して言う人が増えているということのようなのです。このことは、既に2009年のブログに書かれていました。

kazsa.hatenablog.com

「提出ください」もそうですね。この方のおっしゃるように、言葉は変遷するものなので何が主流になるかは変わっていくものですが、本来は尊敬を込めて言っていた言葉の、尊敬を表す「御」が省略されるってのはどうなんだ?と私は思います。変遷したあとの社会で言葉を使う人ならまだしも、今の過渡期で、それも仕事として言葉を使うのであれば、自分が何を削って喋っているのかということを意識して「敢えて省略する」という丁寧さをもって語って欲しいな……などとおもうのですが……。求めすぎでしょうか……。

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普段から備えていない人が緊急対応を行うとトラブる

コロナウイルスの影響で都内周辺の企業などは軒並み「リモートワークか、出勤か」という選択を迫られているのではないかと思います。自分が勤める会社も、来週からリモートが可能な業務は自宅から……ということになりそうなのですが、少し気になったことがあるのでメモしておきます。なにせ、普段やっていないことを一気にやろうとしています。抜け漏れを探して万全を期すべきところ、一番このあたりについて時間を割いて勉強している自分に一切声が掛からない時点でもう「わかっていない」か「敢えて備えることを放棄している」のどっちかだろうとしか思えないので……。まずは現段階の状況をメモっておかないとね……。

自宅のセキュリティ関連の状況が不明

会社支給のノートパソコンを、自宅のネットにつなぐかモバイルルーターで接続してVPN的なソフトで会社のLANに接続するというのが基本路線なのですが、その話の中に「自宅のセキュリティ」に関する確認や条件の記載が一切ありませんでした。いわゆるウイルス対策ソフトや、セキュリティリスクとなり得るソフトなどの利用状況などです。最低でも「適切に更新されているウイルス対策ソフトの利用は必須」という条件は必要だと思うのですが……。

利用者の中には「自宅のWi-Fiは会社のWi-Fiに繋がるのか?」という非常に危うい質問をする知識レベルの人も混じっています。正直、事故が起きていることに気づきすらしないレベルの状況で問題を垂れ流しにしてしまう可能性はゼロではないと考えています。危ない……。

Zoomを利用という声が聞こえたが適切なパッチなどに関する指示が無い

関係者が会話しているのを聞いたのですが、Zoomを使うという言葉が聞こえました。インストールしておけと。

zoom.us

これですね。ビデオチャット、会議が可能なツール。このところの騒ぎでものすごい数の利用者がふえているようで。で、当然のことながら「利用者が確実に増える」となると「これの脆弱性を突けば大量の利用者をターゲットにできる」という状況が生じるわけで。情報の盗み見やなりすましといった行為を行いたい人たちにとっては絶好のチャンス。そして実際に脆弱性や利用上の問題(荒らし行為など)も起きているようで、IPAからもこんなアナウンスが出ています」。

www.ipa.go.jp

最新版をダウンロードした新規利用者であれば基本的に問題はないはずですが、こういう問題が起きていることをきちんと認識した上で、念のため注意を行うなどの措置はビジネスとして利用するなら必須かと。しかしそのあたりについての指示などもとくに無さそうです。

上手く人を使ってよ……

とりあえず私は静観しておこうというスタンスで見ているのですが……。余計な口出しをすると「越権行為だ」と叱られるというトラブルが過去にあったので。しかし、情報処理安全確保支援士の資格を高いお金を出して取らせている割には、一切相談も何もなく、むしろ「うるさいから口を出させない」といった感じの扱いになって居るのが非常に不愉快ですね。まぁいいのですけど。本来はきちんと口を出して注意喚起などを行わないといけないのですが、立ち聞きレベルでしか話が入ってこないようにされている時点でとりあえず静観せざるを得ません。何も起きないことを祈るばかりです(結局、情報漏洩や踏み台にされるなどの問題が起きると、会社が、というよりは自分たちの給与、賞与に影響が出る事態が起きるので、それを恐れています)。

資格維持のためのオンライン講習なども先日終わらせましたが、総務/経理をやっている役員からは「せっかくお金をだしているのだから上手く使ってよ」というお声を頂きました。即答で「いや、それは私ではなくそちらが、ですよ(こういう人材を上手く使うのは会社の役割ですよ)」という返しをしましたが……。ほんと、人を使うの下手ですね。

だいたい悪の組織の方がまともなことを言っている

Amazonプライムで、劇場版「科学忍者隊ガッチャマン」が見られたのでちょっと見てます。

劇場版 科学忍者隊ガッチャマン(1978年)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B081SBNWN3/ref=atv_hm_hom_1_c_DEaieV_4_14

当時自分はまだ7歳。小学生低学年。ガッチャマンは見てましたがストーリーその他全然分からずに見ていたので、劇場版で描かれている「総裁Xとベルクカッツェの登場」「ガッチャマンの初戦」は非常に新鮮ですね。ただ、この劇場版、音楽やSEと音声のバランスがおかしい。あきらかに音声が小さい、というか音楽が大きすぎます。その点が残念なのですが……。

で、この手の昔のアニメや特撮番組を見ていていつもおもうのが、悪役、悪の組織の方がきちんと段取りを組んで計画に則って組織的に動いている、という点。基本、ヒーロー側は受け身にならざるを得ないので、ここの能力や実力で後半押し返しますが、前半はどう見ても悪役優勢です。そしてガッチャマンも例に漏れず……。

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ベルクカッツェを叱責する総裁X

初戦で敗れたベルクカッツェに対する総裁Xの台詞は仕事の基本がきっちり織り込まれてますね。

総裁X「ベルクカッツェよ、なんたる無様な初陣だ。たかが5人の小僧どもに手も無くひねられるとは!それでもお前はギャラクターの首領か!」
カッツェ「総裁、ご安心ください。タートルキングはやられましたがこの次は……」
総裁X「馬鹿者!」

だいたいこの時点でベルクカッツェの声には楽観的な雰囲気が。こりゃ叱られるわ……

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余裕をかますベルクカッツェ

総裁X「私がお前を作り上げ、30数年無駄な時間を過ごしたのは、この地球を支配するためであり、科学忍者隊の小僧どもと戯れる為ではないわ!」

きちんと目標を明確にして脱線を戒めています。侵略プロジェクトはかくあるべきですね。

カッツェ「わかっております総裁。そのためにこのカッツェが長い年月を掛けて練り上げた一大計画が、いよいよ実行可能となりました。」

ここぞとばかりにプランを提示してチャンスを得ようとするカッツェ。良い感じ……なのですが

総裁X「長い年月を掛けたところで、結果が悪ければ無能に等しい。失敗するな!」

そうなんですよ。要は時間でも頑張りでもない、結果。侵略プロジェクトにおいては結果が全てなのです。古いアニメや特撮、悪役視点で見てみるのも面白いものですよ。

その頃主人公達は

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公園で鳩を眺める主人公達

「うふふ、かわいいわねぇ」
「鳩は平和のシンボルだ。」

じゃねーよ。既にギャラクターは暗躍してるし南部博士は次の手に向けて動いてる!部下ども仕事しろ!