ここ数年ハマってるゲーセンのゲームが、コナミの音楽ゲーム「ノスタルジア(Nostalgia)」です。落ちてくる記号の位置に合わせて、備え付けの鍵盤を押すというゲームです。基本的に、初期からある「ビートマニア」とコンセプトは一緒で、入力装置がピアノを模した鍵盤楽器になっているのが特徴ですね。実際にプレイしている様子はこんな感じ(曲は「チョコレートフィロソフィー」 / Expert と、「Ping x Pong x Dash」/ Real)。
以前、これがコナミのPC版ゲームブランド「コナステ」にβ版として登場し、その後正式リリースされました。MIDI接続可能なキーボードを入力デバイスとして使えるとのことで、手元にある1990年発売のYAMAHA SY22を使って試してみることにしました。
キーボードとの接続
今回、ゲームの入力装置としてシンセサイザーを使うのですが、こうした電子楽器をPCなどに接続する端子の規格として、昔から「MIDI(ミディ)」と呼ばれるものがあります。昔は、鍵盤楽器などと、これらを自動演奏する装置同士を両端がMIDI端子のケーブルで接続したのですが、今は片方がUSBになっているものがあるようです。これを購入しました。種類は色々出ていたのですが、無難そうなものを選択。お値段は約1,600円。
届いたケーブルはこんな感じです。
MIDIケーブルはIN/OUTが別になっています。ケーブルの「IN」はシンセサイザーの「OUT」に、同じくケーブルの「OUT」はシンセの「IN」に繋ぎ、USB側をPCに接続すれば接続完了。Windows 10であれば特にドライバーのインストール等を自分でやる必要もなく、そのまま認識してくれました。
なお、シンセサイザーなどの接続機器の電源をONにするまえに、MIDI端子とUSB端子を接続しておいたほうがよさそうです。このあたり、最近のPC機器になれている人は電源投入したままでの抜き差しが普通かもしれませんが、昔の機材は「電源が入った段階で接続されているものが認識され、その後抜き差ししても認識しない。下手すると壊れる」というものばかりでした。実際、あとからMIDI端子を挿してもPCが認識しないことがあったので、この辺は古い機器のやりかたに習った方が無難かと思います。
ゲーム起動
コナステのノスタルジアは、本来月額1,628円(税込)必要な有料サービスなんですが、会員登録しておけば、曲数を絞った無料体験版が遊べるようになっています。いきなり有料サービスを使って遊べなければ悲しいので、まずは無料版を試してみました。ゲームをインストール後、起動するとコナミのオンラインサービスのログインを求められるので、ログインするとゲームが起動します。
1つ残念なのが、フルスクリーンにしても22インチのディスプレイだと上下がカットされた感じになることです。どうやら縦横比は変えられず、かといってウィンドウモードでもサイズは固定のようです。このあたり、不便ですね。あと、フルスクリーンモードでゲーム中、Windowsの他のアプリに触れてしまうとゲームが中断、戻れなくなります(強制終了&再度実行する必要がある)。このあたりももう少しなんとかならないかな……というのはありますね。
いろいろと思うところはありますが、実際に初めてみると……なんとかシンセサイザーを認識してくれたようです。いやぁ、30年前の機材が今のOSで使えるってのがちょっとした感動ですね。
上図の右がゲーム画面です。デュアルディスプレイ環境だと、メイン設定しているディスプレイにフルスクリーン表示されます。
プレイ
実際にプレイするにあたって問題が。
- ゲームの推奨鍵盤サイズは49鍵だが、持っているシンセは61鍵。
- ゲームの推奨ディスプレイサイズは33.5インチだが、持っているディスプレイは22インチ。
前者は、鍵盤のうち12鍵が不要ということです。これは、ゲーム内の設定画面からゲーム中の鍵盤の位置と物理鍵盤の割り当てを1つずつ指定できるので、物理的なキーボードの左か右に寄せて、どちらかの端を使わない設定にすれば問題ありません。ただ、使わない設定にした部分は押しても反応しないので、「鍵盤を端から端まで使える」というわけではないことをプレイ中に意識しておく必要があります。
後者のディスプレイサイズは、ゲーム中の画面上の記号の位置と、実際に押す鍵盤の位置がずれてしまうという形で問題になります。ディスプレイの方が狭いため、画面と物理鍵盤の位置がずれますから、画面の両端については落ちてきた記号の真下ではなく、すこしズレたところの鍵盤を押さないとミスになってしまいます。これは結構な問題です。
デュアルディスプレイにしているので、ウィンドウモードにして、ディスプレイをまたがるようにウィンドウを広げればズレは回避できるかと期待したのですが、残念ながらノスタルジアのウィンドウモードはサイズ固定でした。というわけで、ゲーセンと同じ感覚でプレイするには33.5インチディスプレイを購入する必要があるようです。
で、実際にプレイしてみたのが以下の動画です。スピーカーが貧弱なのと、私の指があまり深く爪を切れないので、カチャカチャうるさいですがご容赦ください。
ゲーセンの鍵盤はすごく浅いのですが、フルサイズの電子楽器系のキーボードはピアノほどではないにせよ押した際の深さがあるので、グリッサンドなどが激しいところは、グリッサンドではなく細かく刻んで演奏するなどの工夫が必要かもしれません。
あと、驚くのがベロシティセンスにもきちんと対応している点ですね。80年代後半のエレクトーンなどの鍵盤楽器は、押した強さに応じて音の大きさや音色を変更するベロシティセンスという機能が付いています。MIDIケーブルから出て行く鍵盤押下情報にはこのデータも含まれるのですが、ゲームはきちんとそれを拾って強弱を判別する場面に反映していました。
というわけで……ちょっと難点はあるものの、自宅でいろんな曲を楽しめるのは悪くないと感じたので、無料版を確認した翌月から課金してみることにしました。有料サービスは月初から月末までの料金なので、月の初めに契約するのがお得です。
ノスタルジア推奨キーボード
実はもう1つ難点があって……。持ってるシンセはでっかいのです(笑)。実際、机に載せたときの感じはこうなります。ディスプレイは20インチと22インチをディスプレイアームで浮かせているのですが、幅はそれを越え、120センチ幅の机をほぼ埋める形になってしまいます。
なので、49鍵のコンパクトなMIDI対応キーボードを買えばもっとスッキリさせることができますし、「使わない1オクターブ」といったものも発生しません。コナミが推奨しているのは下記の2製品。これからキーボード自体を買うのであれば、1万円チョイですしこちらを購入することをお勧めします。
[rakuten:marks:10011245:detail]収録曲について
月額課金を申し込むと、プレイできる曲数は一気に増え、初期状態で183曲。その後も毎月1曲くらいのペースで追加されていくようです。なので、まぁ普通に遊ぶ分には十分なボリュームがあります。また、追加曲パックも販売されているのですが、20曲ほどで4,048円と、結構な値段になります(2021年9月時点で6パック出ています)。まずは試してみて、遊び尽くしたら次、と言う感じで良いかと思います。