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日常茶飯事とお仕事と

テクニカルライティングに関する良エントリー

よさげなものを見つけたのでメモしておきます。

engineering.linecorp.com

一応、設計資料や報告などの書き方については自分なりにメソッドとしてある程度形になったものを持ったつもりではいるのですが、なかなかこういう風に「理論として明記する」には至ってません。こういう風にまとめられるには、仕事としてそれをメインで行うなどある程度そこに至る動機付けが必要なのかな、とか思いますが。残念ながら自分のそういうスキルは周囲から求められることがほとんどないので、別に外に開示する必要にかられることがないんですよね……。

でもやってみるかな、どこかで。とは思ったりしています。

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)

  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: 単行本

興味を持たない相手からは興味を持たれない

ここ2年、いや、準備も含めると3年(正確には2017年の秋あたりから)、社員50人以下の自社で、自社員向けの新人研修を担当しています。「技術の底上げをアカデミックな教え方できちんと実施したい」という要請に応じるべく、教材はIPAITSSで提示されている「研修ロードマップ」のレベル1、レベル2の内容に沿って、口頭や図示しながらの講義を想定したプレゼン資料や実習教材を自作しました。

www.ipa.go.jp

プレゼン資料は1つあたり20~50ページくらいのものを50個近く、C#を使ったプログラミングの実習教材は基礎的なものから開発プロジェクトを模した応用編まで25個近く。これをプレゼン資料については2017年の9月~11月でITSSの内容を読み解いて構想を考え、12月~翌3月で作成。研修は4月~9月の6ヶ月間で、実習課題は研修を進めながら並行して定時後や新人が課題をこなす間の待ち時間で作りました。

教えるということを本格的にやったのはこれが初めてで、相手は自分の年齢の半分くらいの、それもIT系の勉強をいっさいやってこなかった人がほとんどの、いわば素人。これを半年の研修で基礎と簡単なプログラミングが可能な人材に育てるというのがミッション……だったと思っていたのですが。

古参社員等から言われたこと

研修を1年~2年やった時点で、社長も含めた古参社員から直接、間接含めて言われたことは以下の通りです。

  • ゲームを模したようなプログラミング実習ではなく、もっと実務に即したものをやってほしい。
  • 研修担当者と新人が仲良くしすぎて近すぎるのが問題。
  • 研修が閉鎖的で何をやっているのか見えない。
  • 研修担当者が残業しているのはどうせ生活残業でしょう。もっと生産性をあげてやるべき。
  • 新人の相談を聞いてやってほしい、といった「業務指示」を課長を通さずに勝手に周囲に出すな。
  • 研修担当には新人から相談が行くが、人事課長に直接報告が来ないのはおかしい。

研修の内容や作成した資料、実習課題などに一通り目を通したり、少し触れたりした結果の評価として上記のものが挙げられるのであれば、それは謙虚に受け止めるべきだと思います。教材は出来上がった時点から一通り社内では誰でも見られるようにして公開していました。しかし、それらを読んだり見たりしたという形跡や意見は無し。そのような状況で上記のような事を言われ、さらに今年からは

  • 社長自ら心理学系のオーディオブックを使った講義を行い、自分の考え方や社の理念を説く。
  • 開発課長の一人が実務や業界知識の教授を目的とした講義を行う。

ということになりました。

結果、新人達の報告で上がってきた社長などの講義への感想は「テクニックや技術よりも、お客様の意見に耳を傾けることが大事だと判りました」的なもの。あぁ、私が教える内容と真逆だ(お客様が大事じゃないとはいいません。ただ、最初はまず自分のスキルを磨く事が最優先だと思います)。一体、技術の底上げどこいった??……。結局、技術や知識をアカデミックに習ったことがない人が経営層を含めて上層部や古参社員の大半という状況で、私がやった「一般的な知識やスキルをたたき込む」やりかたは受け入れられなかったということです。もっと「仲間との絆」や「お客様に寄り添う」ことを重視し、古参社員のやりかたに沿った上で「それを下敷きにした技術の底上げ(従来比で向上してればOK)」というものが求められていたようですね。社長や他の課長が出張ってきたのも、「あいつ一人にやらせておくとまずい」という判断のようです。

今年からどうしたか

新人との接点をなるべく減らしました。

研修担当者、といっても直接講義や実習を担当するのは私一人、あとは人事の課長とその部下が1名ずついる状態です。私以外の2名は技術職ではないので、教えることはやってない状況。その「担当が1名」という状況で「研修担当者と新人がべったり」とかいうのが役員メインの会議で問題視される、ということは、問題人物は私です。要するに「新人と距離をおけ」ということ。

昨年までは以下のようなやりかたで、新人が自分に対して話しかけたり質問しやすい雰囲気を作るようにしていました。

  • 4月の時点で自分の素性や趣味嗜好なども全部オープンにして相手に晒し、自分の素性をなるべく明らかにする。
  • 新人それぞれの経歴、出身などを事前にしっかり把握し、それぞれに合った雑談や話題の振り分けを行えるようにする。
  • 講義の最中になるべく雑談や関連話題への脱線を交え、その中でお互いの趣味や考え方なども把握できるようにする(眠気覚ましにもなるし、講義内容とその時の雑談をセットにして連想的に記憶させるのにも役立つ)。

この結果、年齢が倍くらいのオジサンでも新人とふつうに会話したり、食事に行ったりということもできるようになり、研修に関する質問や意見などもお互いに言いやすい状況を作ることが出来ていました。しかし、それが気に入らないという評価を受けたのであれば変えるしかありません。というわけで今年はこうしました。

  • 雑談や講義の脱線はほぼゼロにする。講義の実施に専念し「生産性」をあげる。
  • 自分の趣味嗜好はなるべく表に出さない。
  • 新人のプロフィール等にもあまり触れない。どこ出身で何を学んでいたか等も興味を持たない。
  • 実習課題などからゲーム仕立てのものなどを省く。
  • 昼食などに誘ったり同行もしない。むしろ避ける。

さらにコロナウイルス問題で新人研修も在宅での実施になり、週に2日程度の出社以外は書籍での独習やGitLabで公開した教材での実習がメインに。もうばっちりです。新人との接点は「やるべき最低限のこと」に絞り、不要な接点をそぎ落とすことが出来たと思います。

どうなったか

で、今年の状況がどうなったか。まだ7月末なので4ヵ月程度ですが、以下のような結果になっています。

  • 質問はほとんど来ない …… 新人達同士で話し合ったりして問題解決することを優先し、こちらに質問がくるのはそうとう時間を掛けたあとです。ただ、素人同然の新人同士が話し合ったところで前提から誤ってることが大半。そして間違った方法で時間をかけて練り上げた結果をもって相談にくるので、後始末は大変です。
  • 指示をきかない …… 課題などで「こうしなさい」と書いたとおりにやらない傾向が非常に強いです。結局、課題などの背景にある意図なども、会話や意思疎通がたりないので汲み取れません。書いてないことは、判らない。そりゃ当然ですね。なので、課題に「こういう意図があるので分からなくてもまずは書いて有るとおりにやってみなさい」くらいの説明を添えないと、書いてあるとおりにはやってくれません。

そしてなによりの結果が

  • 研修担当者のモチベーションがほぼゼロ

です。他にも理由はあるのですがここでは伏せます(笑)。

誰もやっていなかったことを3年かけてやり、肯定的な評価はほとんどもらえないまま否定意見だけを告げられ、仕方なく言われたとおりにやってみたら「まぁ、なるべくしてなった結果」に。いわば「自分が思った通りにやらなければ失敗することが判明し、自分のやり方に効果があったことが実証された」という結末ではありますが、現時点においてだからといってモチベーションが上がる要素がありません。教育での失敗は、自分の学びにはなっても、相手にとっては傷にしかなりませんから。

ただ、痛感したことが1つ。やはりこちらが新人に対して興味関心を持たないと、新人から研修担当者への興味も持てないのですね。結果、「得体のしれないオジサンが教えている」ということになる。こちらから研修担当者というのが一体どれくらいのスキルを持った人かなんてのは、新人には全く判りません。なので、敬意を払うべき相手なのかどうかも判らない。「指示に従わない」なんてのはその結果の最たるものだと思います。「実業務にも就かず研修をやってるような人が出す指示より、ボクが考えたこの方法の方が良い結果が出るに違い無い」みたいな(事実そういう成果物が出てきてます)。

こちらが新人に対して興味関心を持って、話しかけ、話を聞き……を繰り返せば、必然的に新人もこちらに興味を持たないと会話も進まないしその場が持たなくなる。結果、「こういう人なんだ」「こういう経歴の人なんだ」という情報を手に入れ、さらに「そういう経歴があるってことは、説明している内容には裏付けがあるんだ」というように、教える内容についての信頼性が上がります。

もちろん新人から勝手に興味を持ってくれるケースもあるかもしれませんが、全員にそれを期待するのは確率的にも間違いだと思います。やはり、何かを求めるなら、まずは自分から動く。それは基本なんだなぁ、というのを今年の研修で(まだ終わってませんが)痛感しました。仕事のモチベーションは下がりましたが、自分自身としては得るものがあったので無駄では無いと信じてます。

まぁ、今年の研修は私個人としては「失敗」ですが、おそらく、この先研修を引きつぐ人にとっては「一般的な世間でのIT知識ではなく、自社特化の教育を社長や開発課長からたたき込まれた新人を育てたメソッド」の方がやりやすいでしょうから。会社としては「期待した路線になんとか戻せて成功」なんでしょう。

で、どうなったか

ミドル向けの転職サイトに登録しました。とりあえず。まずは自分の市場価値や可能性を探ってみます。ただ、もう開発とかやりたくないんですよね……ぬるい仕事をやりすぎました。


転職の鬼100則

転職の鬼100則

最近買って良かったもの…… 電池チェッカー

子供たちがひさしぶりにWiiUで、Wiiマリオカートをやり始めたのでコントローラーを引っ張り出したのですが……充電池が結構だめっぽい。Wiiの頃から、かつてSANYOが販売していた「エネループ」を何個も買ってきていて、ストックは10個以上あるのですが…… 最近使ってなかったし放電してしまっているのかも。

というわけでこれを買いました。

赤いスライド部分で電池を挟むと、デジタル表示で電圧が表示されます。エネループだとだいたい1.3~1.4Vであれば大丈夫。早速、持っている電池全部をためしたところ、なんとダメだったのは高いタイプのエネループ1個だけでした。あとは充電し直したら問題無く使えました。500円以下で、あの「電池が使えるかどうか判らないイライラ」を回避できるなら安いものです。というわけで今年の6月に買って良かったものはこれでした。

アナログタイプならもっと安いので、こちらもいいかもしれません。