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DUNE(2021年版)観てきました

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DUNE、2021年のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版を息子とみてきました。内容については取りあえず触れずにおいておきます。1984年のデイヴィッド・リンチ監督版はだいぶ駆け足だったのとアレンジが入っていましたが、今回は結構原作準拠で、なおかつツボを押さえて丁寧に描かれている印象でした。

原作はフランク・ハーバートによるSF小説。1965年に刊行され、日本ではハヤカワ書房から文庫本で「DUNE 砂の惑星」としてシリーズが発売されています。残念ながら完全に終わるまでに作者は亡くなってしまい、残りは息子さんが執筆されましたが日本語訳は出ていない状況です。しかしながら、日本語版既刊分でも十分世界観を味わうに足るボリュームがありますので、余裕があるかたは是非……(難しいですけど)。

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シリーズ6「砂丘の大聖堂」3冊

1984年版の映画前は、挿絵や表紙イラストを石ノ森章太郎が担当していたのですが、その後の作品は加藤直之イラストで、柔らかい線をいかした人物やメカが独特な世界の描写を裏打ちしてくれます。お勧め!

詳しい話は避けますが、流石に超未来の銀河を描いたお話のため、独特の用語、組織、概念が出てきて映画だけではおそらく「??」となる場面があるでしょうから……いくつか代表的な用語等について書いておきます。

完全に映画監督の意図を味わいたい方は飛ばしてください。映画開始時点で登場人物の誰もが知っている言葉なので、ネタバレという内容ではありませんが、初見での疑問も味わいたい方にはスポイラーになるとおもうので。

代表的な用語等

  • 基本的な世界観 …… 銀河中に人類が散らばり、皇帝を中心にした恒星間貴族社会を形成している。
  • 戦争 …… 個人~建築物レベルで防御可能な「シールド」が開発され、高速で受ける攻撃は遮断されてしまうため、高速の射出兵器よりも剣や短剣での戦闘が主になっている(低速弾を打ち出す銃なども出てくる)。
  • 社会基盤 …… 惑星アラキスだけで採取される「メランジ」と呼ばれるスパイス(麻薬)が、今の石油のような扱いになっている。メランジを摂取することで恒星間跳躍が可能になった特殊な人種「ナビゲーター」が星間移動をつかさどり、物流や移動のかなめになっている。メランジの流通は「ギルド」が統括している。
  • ベネ・ゲセリット …… 社会の陰で暗躍する女性だけの組織。何千年にも及ぶ交配計画により遺伝子を自然操作し、自分たちの願いを達成する「救世主(クイサッツ・ハデラック)」という超人の誕生を目論んでいる。修道女的な身なりで、貴族や社会基盤にめり込んでいる。高度な体術などを会得し、特殊訓練による「声(ヴォイス)」で人を思いのままに操る能力などを持つ。主人公、ポールの母はベネ・ゲセリット。
  • メンタート …… 数値計算訓練を受けた人間コンピューター。皇族などの参謀として配置されている。主人公の属するアトレイデス家の「スフィル」はメンタート。敵対するハルコンネン家の「パイター」もメンタート。
  • スク医師 …… この社会で皇族に仕える医師団。暗示によって人を殺害することを抑制されている。主人公の家の「Dr.ユエ」もその一人。
  • サーダーカー …… 皇帝直属の戦闘殺戮集団。めちゃくちゃ強い。

とりあえずこのあたりを知っておけば、映像での解説も含めて理解が早く、メインのお話に集中出来ると思います。

Dune

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