
2025年夏にもあった、原神のプレイ動画に対する「そのゲーム内の曲は私のものですよ?」という、第三者からの申し立てを受けました。前回の時の記録はこちら。
今回の著作権申し立て概略
今回は、原神に出てくる「月神」ことコロンビーナに関するエピソードのプレイ動画。
このキャラクターのテーマとも言える歌が終盤に流れるのだけれど、その曲をカバーしてYoutubeに公開している「[Merlin] EWway Music / 音禾文化」という方からの申し立てを受けました。昨年7月にも書きましたが、ゲーム「原神」を運営するブランド「HoYoverse」は、ゲームプレイ動画やゲーム内で演奏される楽曲の動画使用をプレイヤーに許諾しています。従って、この場合も「カバー曲を演奏している人の楽曲をそのまま、動画に被せて利用」とかでないならば、この方に権利を主張する根拠も権利もありません。というわけで、また異議申し立てをしました。
なお、この曲の作曲者は Yang Lee(李洋)さんであり、「音禾文化」といった組織ではありません。
異議申し立て内容
前回とおなじような文面で、下記内容で申し立てを行いました。実際のYoutube画面上での操作手順は末尾に記載しています。
ゲーム「原神」の開発・運営元であるmiHoYo およびHoyoverseは、ゲームを利用した動画およびYoutubeでの収益化を許可するとしています(本文末に引用記載あり)。問題視されている曲はゲーム内のBGMを、ゲームプレイ中に録画録音したものであり、[Merlin] EWway Music / 音禾文化 様による演奏や楽曲を利用したものではありません。従って、このケースにおいて動画の内容に問題は無いと考えます。
参考情報:
https://www.hoyolab.com/article/143107
「3. miHoYoが配布した原神のゲーム内映像で動画を作成し動画サイトに投稿することは可能でしょうか?
動画投稿・配信に関しては、次のガイドラインを制定しました。おすすめのテレビゲーム機
1)以下に明記されている場合を除き、原神のゲーム内映像の使用は、非商用目的に限るものとします。
2)当社が指定する利益の方法、また、コンテンツが本ガイドラインの関連仕様をすべて満たしている場合に限り、原神のゲーム内映像を使用して、動画の作成、動画のアップロード、ストリーミングサイトでのライブ配信を行い、利益を得ることができます。
現在、当社が指定している収益方法は、「YouTubeやTwitchなどの動画像共有サイトでのパートナープログラム」に限られており、それ以外の収益方法は認められておりません。」
異議申し立ての手順
実際のYoutube画面上での手順を参考までに記載しておきます。まず、動画の「著作権」メニューを開き、そこに出ている著作権申し立ての右にある「詳細を表示」を押します。

次に、動画のどの部分が対象で、申立人が誰で……といった情報が出るので、画面右下の「対応する」を押します。

次に、選択肢が表示されるので、一番したの「異議申し立て」を選んで「次へ」を押しましょう。これなんですが、後述するように申し立てしなければ収益がその「自分のものでもないのに著作権主張する人」のところに入ります。申し立て出来る状況であれば、可能な限り早く対応した方がいいです。

次は異議申し立ての仕組みについての説明なので、目を通して問題が無ければ「次へ」で先に進めます。

次が、申し立ての根拠、理由についての選択肢です。ここ、初めてだと「自分が作曲したわけでもないし……該当しない……」と思いがちですが、HoYoverseのゲームに関してはプレイヤーに動画やゲーム内での音楽録画の利用を「許諾」してもらっているという背景があるので、広い意味で「ライセンスを供与されている」と解釈し、「ライセンス」を選びました(前回もこれで申請が通って、こちらの主張が最後まで通りました)。

次が、ライセンスの根拠や内容についての確認と、本当に許可を得ているよね?というチェックです。説明内にあるように「書面による確認があると役に立ちます」ということなので、HoYoverseのコンテンツ利用に関するポリシーなどの文面やWebサイトを確認して、資料を準備しましょう。問題が無ければ「許可を得ています」のチェックを入れて「次へ」で先に進みます。

ここが最後の工程です。申し立ての文章を実際に記入し、自分の主張を再確認するチェックをONに。最後に、自分の本名をフルネームで記載します。本名!?と思われるかもしれませんが、どのみちYoutube/Googleには収益化云々の話の中で本名を出しているはずですし、ここで出た名前が視聴者に公開されることはないので、そのまま記入してください(漢字でOKです)。記入が終わったら「送信」を押します。

不正な著作権申し立てが起きる仕組み
実はこれで同じようなことが起きたのは3回目です。こういうことが起きる仕組みについてChatGPTに尋ねてみた結果を付記しておきます。結論だけまとめると「可能ならなるべく早く異議申し立てしないと、収益が相手の元に流れていく」です。
ChatGPTへの質問文はこちら
Youtubeでコロンビーナの「伴月紀聞」シリーズのプレイ動画を挙げたら、コロンビーナの楽曲をカバーしてYoutubeに挙げている人のアカウントから著作権の主張を受けて収益ひっぺがされたのだけれど、あれってどういう仕組みでそうなるの?音楽とかを公開したことが無いから判らないのだけれど、Youtubeに自分の楽曲を登録したりするのか、それともYoutubeが勝手に「同一だ」と判断するのか。知ってたら教えて。
結論
Youtubeが勝手に判断したわけじゃなくて、「そのカバー投稿者(またはその人が契約してる業者)がContent IDに登録していた」
→ それに機械的に引っかかった、って流れ。
YouTubeの著作権判定の正体:Content ID
YouTubeには Content ID(コンテンツID) っていう自動照合システムがある。
① 権利者(または代理業者)がやること
- 自分の「音源」「映像」をYouTubeの Content IDデータベースに登録
- これ、個人でもできる場合があるけど、多くは 配信代行会社・著作権管理業者 経由
ここがミソ👉 「本当の権利者かどうか」はYouTubeは事前に厳密チェックしない
② YouTube側がやること
アップロードされた動画を波形・メロディ・構造レベルで自動解析。登録データと「似てる」と判断したら → 自動で著作権の主張を発行
この時点では
❌ 違法か合法か
❌ 本当にそいつが権利者か
は 一切考慮されない
今回の「意味不明な状況」が起きた理由
おそらくこれ👇
- HoYoverseの原曲
- それを 誰かがカバーして
- その「カバー音源」を Content IDに登録
- キミのプレイ動画のBGM(原曲)と波形が似てる → 自動一致
- 「この人の音源が使われてます!」って誤爆主張
これ、めちゃくちゃよくある事故。
「でもカバー曲って権利ないよね?」問題
その通りで、カバー演奏者が持つのは演奏音源に対する権利だけ。作曲・楽曲そのものの権利はHoYoverse。だから原曲BGMを含むプレイ動画にカバー投稿者が権利主張するのは法的にはほぼアウト。
ただしYouTubeは「とりあえず通す → 異議で解決しろ」って設計になってる。雑。
異議申し立てを出したのは正解?
うん、100点満点。内容的にも「HoYoverseはゲームプレイ動画の公開を許可」「使用音源はゲーム内BGM(原曲)」「主張者は正規権利者ではない」これが揃ってるからほぼ確実に解除される案件。
相手が異議を取り下げる or 何もせず30日経過で、収益は戻る。
ちょっとイヤな裏事情(参考)
正直に言うとね、Content IDを雑に登録して誤爆でも収益を吸えるだけ吸うみたいなグレー〜ブラックな運用してる個人・業者はいる。HoYoverse系BGM、特にコロンビーナ・執行官曲あたりは狙われやすいジャンル。