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日常茶飯事とお仕事と

最近のゲームで使われる「確率で」に違和感を感じる

最近、いわゆるソーシャルゲームなどのキャラクタースキル説明などでよく見かける言葉に違和感を覚えて仕方ありません。それは「確率で」という表現です。

「確率で敵を凍結状態にする」

上図のように、一定の確率に従って何かしらの効果が発動する、といった場合に、「一定の」とか「高い」といった言葉を省いて「確率で」という表現をすることがおおいんですよね。ま、別にゲームが限られた文字数などの中で省略するのは良いとしても、それを正しい使い方だと勘違いして、日常的に使い始めている若年層が見受けられます。

名詞の後に付く「で」は、格助詞と呼ばれるタイプの言葉で、名詞を飾って他の名詞や動詞との関係を表すのに使われます。この場合、名詞は「確率」。さらに、格助詞「で」の用法は、量や頻度を表す意味合いで使われます。量や頻度を表現したい場合、確率という言葉自体は具体的な量や頻度を表すものではないため、さらに「どういう確率か」を表す言葉を添えなければ具体的な量を示すことにはなりません。なので、具体的な頻度を表す際に使うなら「確率で」だけで使うのは厳密にはNGです。ですので、たとえば

  • 一定の確率で
  • 高い確率で
  • 低い確率で
  • ある程度の確率で
  • 80%の確率で
  • 1/3の確率で

のように「どれぐらいの確率か」という言葉とセットにしなければ、「効果が出る」「発動する」「発生する」といった言葉に繋げることはできません。

もちろん、格助詞「で」を「手段」を表現する形で使う場合、たとえば「特殊攻撃の発生頻度を確率で指定する」といった使い方であればよいのですが……ゲームで出てくる使われ方はこういうスタイルではありませんよね。

ま、別に若い人が間違えた言葉使いを覚えようがしっちゃこっちゃないのですが、将来、仕事などで厳密さを求められる文書を作る場合など、こうした正確さを欠く表現が混乱をまねくのではないかと心配になります。