別に何かのビジネスノウハウを語る話ではありません。単に、自社内の出来事で呆れたことを忘れないようにするための備忘録です。
現在所属している会社、社員数は50名未満。当初は「人数も少ないし、コミュニケーションは取りやすく、そこそこのスキルセットを持った精鋭が揃ってるんだろうな」と思っていたのですが、開けて見たらびっくりの状況でした*1。ま、そんなぬるま湯にかれこれ10年近く居るので自分も大概ですが……。
いろいろあって小規模なのにコミュニケーション不全を起こしている弊社ですが、経営層より「ほぼ毎日」という頻度*2で、春から「社員を啓蒙する目的」と思われる全体向けメッセージがグループウェアに掲示されるようになりました。その、今日の内容にちょっと思うところがあったので記録を兼ねて書いておきます。
顧客との距離
かねてより「顧客に寄り添う」をモットーとされている弊社ですが、この「顧客」との「寄り添い感」の程度を示す「距離」という指標についてのありがたいお話でした。内容をかいつまんで書くと
- 顧客との距離には時間と役割の2つの面がある。
- 時間は頻度とほぼ道義。高頻度ではうざいし、低頻度だと距離が空く。
- 役割、については後日。
いや……後日とか言わずに今日書けよ!実質2行にまとめられる程度の、たいした内容じゃないんだから!。
経営/管理層のこれまでの振る舞い
話は少し遡ります。数年前、新卒新人に、文字通り「密着しかねない勢いで寄り添おうとした」、研修を担当していた課長職の振る舞いがパワハラ、セクハラに当たるという話が出ました。本来であれば報告する先となるべき課長がそれなので、仕方なく別のところに報告せざるを得なくなったのですが、以下のような状態が発生しました。
- 女性を多く抱える部署の女性課員に、昼食をとりながら「もし相談が行ったら話を聞いてあげてほしい(聞くだけでOK)」と伝えたところ、そこの課長から夜中にメッセージ「うちのメンバーに勝手に指示をするな」。
- 被害を受けていた女性が所属していたチームの課長に、外出や打ち合わせでの同席を避けるようなアサインを依頼したところ「彼(課長)も誰も悪者にはしたくないんですよね」「ボクは二人がもっと仲良くなれば解決するとおもうんですよ」と、むしろ二人を引き合わせようとする。
もう話にならないので、社長に直接伝えたところ、返事は「僕はちょっと(彼がそういうことをするとは)信じられないので、直接被害者本人から話を聞きたい」。いや、まてよと。セクハラまがいの行為をされた本人が、小規模とはいえ社長に直訴しないと受け付けないと? ただ、時間はどんどん過ぎていくので、被害者本人にそれを伝え、自分も同席するから社長と話そう、と説得。
そして社長との面談。社長にことの次第を洗いざらい話した結果、帰ってきた言葉
でも、彼は頑張ってるし、売上げも上げているからねぇ。
開いた口が塞がりませんでした。また、被害側も同様。絶望感が漂っていました。結局、この新人さんはこの数ヶ月後に転職。引きずられるように、同期入社の新人も全員退職してしまいました。
このあと社長が言った言葉
この件で、被害女性との面談の後、社長と話す機会がありました。内容は「自分達では気づけなかったことを報告してくれてありがとう」ということと合わせて、話の最後に一言。
こう言う話をもっと聞きたいので、ある程度定期的にこういう場を持ちたいと思う。
正直、少し期待しましたね。自分達の振るまいが、社員、特に若手社員との距離を開いてしまう原因になっていることに少し気付いて、是正しようとしているのか……と。
3年が経った
社長から声が掛かることはありませんでした。
というか、最初の半年で思いましたね。あぁ、社交辞令だったのか、と。普段から「顧客に寄り添う」とか言っているけれど、結局は個々の場を「綺麗に」締めることだけを考えて行動するだけの人なんだな、と思いました。それ以降、完全に当時担当していた研修のみならず、この会社での仕事のモチベーションを失ってしまいました。
実はその数年前にもモチベーションゼロの時期があったのですが、数年かけてやっと持ち直したやる気が全て飛散してしまいました。
お前らが「人との距離」を語るな
最初の話に戻ります。人、顧客との距離感のファクターとして「時間」があるという話を、さも有り難い話のように語る経営層。しかし、その中心人物は顧客どころか、自社の従業員との距離すら適切に保てていません。お互い貴重な時間を割いて深刻な話のやりとりをした結果、「また話を」と言ったのなら、形だけでもいいから行動を起こしましょうよ。別に続かなくてもいい。1回や2回、言ってしまったのだから仕方なくでもいいのでやっておけば、相手は満足するものです。
そういう、自分が言ったことの責任を果たすこともなく、約束も守らず、相手の気持ちや期待を踏みにじる行為を平然と行う。また、自社の従業員の心の距離すらホールド出来ない。そんな人達が、顧客との距離を適切に取れるはずがありません。というか従業員に対して全体メッセージで人との接し方を説教する資格などありません。
ほんと、朝からイライラするメッセージを見せられて嫌な話を思い出してしまったので、とりあえず書き殴っておきました。これで忘れてもいつでも思い出し、モチベーションの湧かない仕事を続ける原動力にできます。