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日常茶飯事とお仕事と

メンター制度の試験導入で挙がってきた意見、顚末

過去の社内メッセージを見返していて、ちょっと面白い記録が出てきたのでメモしておきます。

2017年に社内で「メンター制度」をやってみようという話が挙がりました。当時いた若手(3年目ぐらいまで)数名に役員がヒアリングして、やってみてもよい、と言った男性1名について、月に2回程度の面談を通してメンタリングを行おうというもの。役員氏に聞いたところ、目的は「採用情報などにメンター制度あり、と書けるようにしたい」というww 不純な動機を聞かせて頂きましたが、まぁやってみますか……ということで私が主担当となり面談することになりました。

一応、事前に対象者の上司2名に事の経緯、事情と「メンターって何か?」ということを説明。業務とは全く関係無い立場からの意見やヒアリングを、面談等で話をしていきます、ということを伝えて了承を得ました。業務内容には踏み込まず、あくまで「推進」したり「脱線を防止」したりするもので、お手伝いやメンタルケアではない、ということも繰り返し説明しました。

さらに、自分もメンターとしてメンターをやるのは初めてだったので、下記の本を1冊読んで、関連するWebサイトなどをいくつか読み通して基本的な事柄をある程度把握して取り組みました。

結果から言うと……ある程度の成果は出せたと思います。実はその対象者は、2020年末に退職してしまうのですが、その際にも(ある程度お世辞と社交辞令はあるとしても)「あのとき話を聞いてもらえなかったらもっと早く辞めていた」という言葉を残してくれましたので……。効果はあったのだとおもいます。若手の連続退職が続いている現状については、私のメンタリングが原因ではないとおもいますのでここでは触れませんw

で、メンター活動を始めて2ヶ月ぐらいで社内からフワッと挙がってきた意見が下記のようなものでした。一応、グループウェア掲示版に「メンターって何か?」という説明は書いて、公式に実施してみてますよ、ということを周知しています。その中で「メンタルケアとメンターは違うよ」という説明も筆頭にあげていました……。

しかし、挙がってきた意見は……

  • メンタル面のケアを表立ってやるのはどうかと思う。
  • 上司をすっ飛ばして指導に口出しするのはいかがなものか。
  • 上司や先輩は信頼できないという若手の意思が表れているのではないか?

……絶句ですよね。そんなだから「若手から相談相手にもしてもらえない」んですよ。

で、その後どうなったかというと、メンター制度の活動はこの1名に対して試験的に実施しただけで終わってしまいました。一応毎回、A4で2枚程度の会話内容報告、初見や問題点などの報告書を作成して役員まで含めて回覧したりして、勝手にやったわけではなく社内の仕組みとして実施するというルールは徹底しましたが……。評価されず、効果無しとみなされたようです。

なんというか……。実際の所、結局、私がやったような、メンター的な立場で若手に接することが出来ない、と音を上げた中堅社員が多かったようです。それで「中堅」やら「ベテラン」やら、いや、「先輩」ですら名乗るのはどうかとおもいますけどね。もちろんある程度特殊なスキルや考え方は習得する必要がありますが、言っても「昔から先輩後輩、上司部下の間柄で行われていたヒアリングや指導を体系化したもの」であって、不揃いでもそれぞれのやり方で出来ていて当たり前だと思っていたのですが、そうではなかったようです。

というわけで、残念なメンタリング活動の話でした。