仕事などで持ち運ぶ事を想定して、サブPCとして購入したASUSの軽量ノートVivoBook E203NAのWindowsアップデートに失敗し、結局クリーンインストールするというお話です。
このPC、最近は自宅での子供用PCとして使っていたのですが、2021年7月にふとWindows Updateの状態を見ると「最新版ではないが、更新はない」というよく分からない状況に。調べてみると、Windows 10のバージョン1909から、次の2004へのアップデートに失敗したまま、1909のサポート期限を過ぎてしまっていたようです。
そこで、手作業でのアップデートを試すも結局ダメだったという経緯は下記に記載しています。
今回はその続きです。
対象のPCは、ASUS社の軽量モバイルノート、VivoBook E203NA。既に終売されているので同製品は売られていません。スペック的にはかなり弱いですが、980gで、タイプしやすいキーボード、3万円を切る値段というのは結構魅力でした。もうしばらく使いたいので頑張ってもらいます。
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Media Creation Toolで作ったUSBメモリーでクリーンインストール:準備
7月の試行の最後で、マイクロソフトのサイトからダウンロードした「Media Creation Tool」でアップグレード/インストール用のDVD-R用ISOファイル*1でDVD-Rを作っておいたので、それをUSBメモリーにコピーし、そこからクリーンインストールを試すことにしました。
クリーンインストールでは、通常はインストール用のDVDなどを入れた状態でPCを起動し、DVDの中にあるインストールプログラムがWindowsの代わりに動き、DVDの中のWindowsデータを使ってインストールを行います。しかし、VivoBookのような軽量ノートパソコンではDVDドライブなど(通称:光学ドライブ、オプティカルドライブ)が無いので、外付けのドライブを付けてそこから起動するか、もう1つ、「USBメモリーをDVD代わりにして起動」という手があります。今回はそれを試します。
クリーンインストールとなると、今入っているデータやアプリは全て消えてしまいますので、まずやるべきは大事なファイルなどを退避する作業。我が家の場合、BUFFALOのNASがあるので、自宅LAN経由で各アカウントのドキュメントフォルダーの中身や、ダウンロードフォルダーの中の大事そうなもの、他に仕事用のデータなどをすべて退避します。どのみち消えるので、どれを退避したかが判りやすいよう、コピーではなくすべて移動してしまいました(退避したものは消えるので、抜け漏れが出づらい)。退避先は何でもいいです。別に、USBメモリーやSDカードなどを挿してそこに移動してもいいですし、インターネット上のクラウドストレージなどがあればそれでもいいかもしれません。
USB起動の設定
まず、USBから起動出来るかどうかを確認するために、PCのBIOS設定画面を。最初にPCに作成したインストール用のUSBメモリーを挿しておきます。そして、説明書とかが手元にないので過去の経験と勘で「多分F2キーかDELキーを押しながら起動すればBIOS設定が開く」と思い、まず電源投入後、ASUSロゴが出る前くらいからF2を押しっぱなしにすると……きました。マウスもタッチパッドも使える高機能な設定画面が表示され、その上にBoot順序をあらわす表示があります。内蔵ドライブとUSBメモリーの2つが表示されていおり、内蔵ドライブが上、USBが下に表示されているので、おそらく「上を試し、無ければ下」だろうと解釈。マウスでその表示を入れ替え、USBメモリーが上になるようにしました。そして、画面下部にある「Save and Exit」を選択してBIOS設定を保存後、再度起動。
これで、USBに入ったプログラムを使ってPCが起動するようになります。
USBでWindowsのインストーラーを起動/インストール方式を選択する
USB起動するよう設定してからUSBメモリーを挿してPCを起動すると、最初に下記のようなメッセージが表示されます*2。
- アップグレードの途中であればUSBメモリーを抜いて「はい」を
- クリーンインストールするならば「いいえ」を
今回はクリーンインストールなので「いいえ」で先に進めます(この画面を撮影していなかったので、はい/いいえのどちらがどちらかうろ覚えです。よく読んで判断してください)。
先に進めていくと、改めてこんな選択肢が表示されます。
選択肢は
アップグレードであればPCに入っているアプリや設定を維持したまま、新しいバージョンにあげることができます。やることはここまでで何度も試したことと一緒ですが、USB起動ではまだ試していません。もしかして……とおもい「アップグレード」を選択してみたところ、残念ながら下記の画面が表示されて、拒否されました。
相変わらず日本語が非常に分かりづらいですが、「インストールメディアを削除して」というのは「USBやDVDを外して」という意味ですね。要するに「アップグレードしたければ、普通にWindowsを起動したのち、このUSBメモリーに入っているsetup.exeをWindows上で実行しなさい」ということです。これは以前散々試して駄目だった方法と一緒なので、ここではアップグレードは諦め「カスタム」と書いてあるクリーンインストールを選択します。
インストール先を選択する
次にこんな画面が出てきます。
これは、PC上のストレージ(このPCの場合、SSDのようなドライブ)の中にある「パーティション」と呼ばれるデータを入れる区切りのうち、どこにWindowsをインストールするかと聞いてきている画面です。パーティションというのは、Windows上での「ドライブ」に近いものです(厳密には違いますがここでの説明は割愛します)。もともと、このPCでCドライブとしてWindowsが入っていたのは、おそらくこの「ドライブ1 パーティション3: OS」と書かれている部分。合計56.6GBで、既にWindows等が入っていて7.3GBが空いている状態です。これまでと同じようにこの場所にWindowsを入れたいので、このパーティション3を選択してみると「空き容量が足りないので選べない」という警告が出ます。仕方ないので、パーティション3を選んだ状態で、下部にある「フォーマット」を選択。中身を全て消して、空っぽのパーティションを作成。その後に、改めてパーティション3を選ぶと画面下部の「次へ」というボタンが押せるようになりました。
インストール開始
インストール先の選択が終わると、ファイルのコピーが行われインストールが開始されます。前回アップデートを何度も試したときは、最終工程で3時間とか待たされて失敗だったのですが、今回のクリーンインストールは1時間もかからずに終わりました。
なんどか再起動しましたが、USBメモリーはそのままで問題ありませんでした。下記のコルタナの案内画面が出てくるまではマウスやキーボードに触らず放置した方が安全っぽいです。
インストール完了
しばらくすると、Windowsのサインイン画面が表示されてとりあえずのインストールは完了です。自分の場合はマイクロソフトアカウントでログインしていたので、メールアドレス等を入力してサインイン。とりあえず設定画面から「詳細」を選んでバージョンを確認すると……
最新版である21H1バージョンになっていました。Media Creation Toolの作成は2004のものを使ったはずなのですが、インストール過程で最新版がダウンロードされるのですね。というわけで……とりあえず24,000円ほどのPCを延命させることに成功しました。
*1:ISOファイル: DVDやCDの中身を1つの巨大ファイルとして塊にしたファイル。これをそのままCD-RやDVD-Rに書き込めるソフトで空のディスクに書き込むと、普通に中身を見られるCD-RやDVD-Rになります
*2:メディア入れっぱなし時の警告:この選択ですが、過去にWindowsのインストールを何度もやった人なら判ると思います。インストール過程の再起動の際でインストール用のCDやDVDが入ったままだと、また最初からDVDなどのインストーラーが動いてやりなおし……ということがありましたよね。それを回避するためのメッセージです。昔は、時限式というかカウントダウンが行われて、キーを押すか放置するかで選択するようになっていました。懐かしいです。