買い換えの検討
今まで使っていたPCは、2013年6月に既存のケースを使い、PCデポで売られていたCPU、マザーボード、メモリーのセットを入れたものでした。その時のブログがこちら。
で、かれこれ11年使ってきた、Intel Core i7 4770を搭載しているPCですが、Windows 11にアップデートできない、動画のエンコードが遅いといった問題が気になってきたので、昨年春ぐらいから更新を検討していました。当初は、ケースをそのままで、マザーボード、CPU、メモリーを入れ替えようかと思ったのですが……。CPU、マザーボード等をバラで買うと、何だかんだで10万円弱。そして、組込やセッティング等、いろいろと手間が出るうえ、最悪相性問題や破損といった可能性も有ることを考えると、以下の方針が良いという結論に達しました。
- 事務用のBTOパソコンで、CPUだけは高性能なものを選ぶ(価格を抑える)
- グラフィックボードだけは既存のGeForce RTX3060を転用する
これで、13万円~15万円に収める事に。いくつかショップのサイトを見た結果、結局ドスパラにおちつきました。迷ったのがCPU。今まで使ってきたCore i7 4770に比べれば、今のCore i5でも全く問題が無いのですが……。ただ、この先また5年10年と使う事を考えると、CPU性能に2~3万円掛けるのは妥当だろうということで、CPUはCore i7を選びました(選択肢にあったのが14700だけだったのでそれで)。
選択した製品構成と価格
ベースにしたモデルはこちらの、Monarch GE、139,980円。
こちらの製品を、下記のようにカスタマイズ指定しました。
- OS: Windows 11 Home 64bit(変更無し)
- CPU: インテル Core i7-14700(2.1GHz~5.3GHz/20コア/28スレッド)(変更無し)
- CPUファン: 空冷静音パックまんぞくコース(変更無し)
- グラフィック機能: インテルUHDグラフィックス770(CPU内蔵)(変更無し)
- 電源ユニット: 550W→750W電源(80PLUS GOLD)に変更、+6,900円
- メモリー: 16GB(8GBx2、DDR4-3200)(変更無し)
- システム用SSD: 500GB SSD(NVMe Gen4)→ 1TB SSD(NVMe Gen4、CFD、Read 4,950MB/s、Write 4,000MB/s)に変更、+8,000円
- 光学ドライブ: 無し(変更無し)
- ケース: EA041ミドルタワーケース(ATX)(変更無し)
- フロントケースファン: 12cm静音ケースファン(変更無し)
- リアケースファン: 12cm静音ケースファン(変更無し)
- キーボード: あり(変更無し)
- マウス: あり→ なしに変更、-500円
これに、クーポン300円引き、送料3,300円を入れて、税込みで157,380円でした。こちらを、ドスパラが36回まで分割手数料を負担してくれる分割払、36回で購入しました。支払手続きで分割払の審査が入りますが、すぐに承認とのメールが届きました。
到着~開梱、セッティング
注文したのが5/29で、モノが到着したのが6/1でした。もしかしたら分割払で少し遅くなるのかもしれませんが、まぁ許容範囲です。思ったよりスリムな箱。また、昔と違って重たいHDDが入っていないので、手に持った印象では「軽い」と感じました。開けるとフロントはこんな感じです。
2008年に買った時よりもスッキリしたケースで好感度高めですね。変な装飾がない。背面2ヶ所のネジを外すと側面カバーが外れます。まずは、基本的なパーツが揃っていることを確認します。
マザーボードはASUSのPRIME H770 PLUS D4(ドスパラで22,980円)でした。CPUにはDEEPCOOLの大きなヒートシンクとファン。ファンは光ったりしないモデルのようです。メモリースロットは4つ。うち2つに8GBのメモリーが2枚ささっています。写真でCPUの右に映っている銀色の板(M.2と書かれている)が、恐らくNVMe*1。私は古い人間なので、このNVMeタイプのSSDを扱ったことが無く。これが購入時にシステム用ストレージをわざわざ1TBに変更して「付けておいてもらった」理由です(これを後から買い換えて入れ替えるのは面倒でリスキーだな、と思ったので)。
電源ユニットは、今まで使っていたモノよりも一回り小ぶりな感じ。このあたりもコンパクトになっているのですね。ただ、ケーブルは取り外せないタイプなので、不要なケーブルはしっかりと結束バンドで束ねられていました。このメーカーの製品……ドスパラでも単体では扱っていないようで。ネットで検索してもオークションなどに売りに出されている情報ばかり。何となくですが……一番最初に壊れるのはこれじゃないかな……という気がしています(2008年に購入したドスパラ製BTOパソコンも電源周りで2回ほど持ち込み修理しました)。
このあと、グラフィックボードやBD-Rドライブなどを取り付けたいところですが、いったんはこのまま電源投入して「購入時の状態でまずは動くこと」を確認します(初期不良が有る場合はなるべく手を入れない方がよいので)。ケースを閉じて、電源ケーブルやマウス、キーボード、ディスプレイを接続して使えるようにし、起動。Windows11の初期設定が始まります。というわけで、箱を開けてから一通りのセットアップが終わるまで約1時間でした。
転用パーツの取り付け
さて、ここからは既存のパーツを新しいPCに移していきます。写真左が旧PC。写真右が新PCです。
転用するのは下記のパーツ類です。
- グラフィックボード GeForce RTX3060(ASUS Phoenix 12GB)
- BD-Rドライブ(IODATA BRD-S16QX)
- 4TB SATA SSD(SanDisk SDSSDH3-4T00-G25。旧PCでのアプリ/データ保管用)
- 2TB HDD(WDC WD20EZRX。旧PCでの動画等のデータ保管用)
こんな感じで作業を進めます。
というわけで、こんな感じに仕上がりました。
で、電源を投入したのですが……1点、痛恨のミスが。どうやらGeForce RTX3060を取り付ける際に、冷却ファンとボード背面を挟むように手で持ってしまったことで、ファンの軸が少し歪んでしまったようです。電源投入後、グラフィックボードのファンから高周波の音が響くようになってしまいました(「ピーーーーーン」みたいな)。もしかして電圧とかの問題で回転数が違ったり、それともドライバーがまだ入っていないからそのせいでファン回転数コントロールが効いていないのか、など、いろいろ試したのですが、旧PCに戻しても同じ音がするようになっていたので……やらかしましたね。
音がするだけならまぁ我慢できなくもないのですが、音がしているということは何かしら、部品に余計な負荷が掛かっているという事。いずれはファンが壊れたりする可能性もあります。この件については後日、Amazonで同型のグラフィックボード用冷却ファンを購入し、故障に備えることに。余計な手間を出してしまいました……。
そんなこともありましたが、グラフィックボードなどのドライバーもインストール、ストレージ類も問題無く中身を見られる事を確認し、いったんは初期設定完了です。
ベンチマーク比較
ここで、旧PCと新PCそれぞれで3DMarkを使ったベンチマークを比較しました。旧PCでは2023年2月、GeForce RTX3060購入時に出した結果があるので、それと比較します。モードは「Timespy」を利用します。まずは旧PC。
次は、新PCで敢えてGeForceを使わず、CPU内蔵のグラフィック機能を使った場合です。
次が、新PCにGeForce RTX3060を搭載した状態です。
スコアを表にするとこんな感じです。
旧PC+GeForce RTX3060 | 新PC+内蔵グラフィック | 新PC+GeForce RTX3060 | |
---|---|---|---|
Graphics Score | 8,707 | 809 | 8,669 |
CPU Score | 3,951 | 12,669 | 13,736 |
Total Score | 7,375 | 941 | 9,176 |
内蔵グラフィックは……やはりゲームとかは不可能ですね。スコアが1,000を切っています。一方、CPU。旧PCのCore i7 4770の「3,951」に対して、グラボも含めてフルセッティングした環境だと、スコアは「13,736」。約3.5倍の数字を叩き出しました。狙い通りの結果です。これならば、動画のエンコードや画像編集作業なども快適に行えるでしょう。
実際の操作感ですが、25分ほどのHD画質アニメを、1280x720のサイズに小さくして保管/視聴用にエンコードする作業の場合、だいたいこれまでは1本あたり40~50分(だいばい番組の長さの倍)かかっていたエンコード時間が、10~15分に短縮されました。また、原神や鳴潮などのプレイ動画(1,920x1,080)をビットレートだけ落として動画サイズを落とすエンコードも頻繁に行うことがあるのですが、こちらもこれまで30分ほどの動画のエンコードに2時間弱とか掛かっていたのが、1時間程度に収まるようになりました。
また、Photoshop Elements 2021での写真のレタッチ作業、動画公開用サムネイルの作成作業も、古いバージョンもPhotoshopだとサクサク動いていたのが、2021に更新したことですごくもっさりした動きになっていました。それが何のストレスもなく動くようになりました(以前は、マウスでオブジェクトをクリックしても1秒以下のラグがあって、操作ミスが多発していたのですが、それが全く無くなりました)。やはり、今のソフトを使うには今のPC環境でないと何かしらのストレスや無駄が出ます。今後も、少しずつ部品入れ替えはやっていかないとダメでしょうね。
メモリー増設
丸1日使った時点で、メモリーを増設することにしました。現状、8GB x2で16GBなので、ここに8GB x2を追加して32GBにします。メモリーですが、モノによっては組合せで異常を来したり……ということが過去にもあったので、できれば今刺さっているものと同じものを選びたいところ。そこで、PCの構成部品等を確認できるツール「SiSoftawre Sandra Lite」を使い、今のメモリーを確認。
結果「Samsung M378A 1K43E32-CWE 8GB」であることが分かったので、これをAmazonで探して購入しました。1枚4,250円x2で、合計8,500円です。
とどいたのはこちら……えぇ……剥き出しそのままでエアクッションですか……。とりあえず装着。無事動いたから良しとしましょう。
トータルでの感想
ドスパラの一般事務用BTOに既存のグラフィックボードを載せてゲーム/動画編集マシンに仕立てる作戦、概ね成功ですし性能も満足しています。ただ、1点きになるのが、ドスパラのケース、側面カバーがしばらくすると共振を起こして「ビィィィィィン」って鳴り始めるのですね。これは設置場所などいろんな要因があるので、ドスパラのケースが……とは言い切れないところなのですが……。ただ、これまで使っていたケース(2008年に購入したメッシュ外装のケース」ではそんなことはなかったので。やはりそのあたりが値段が安い理由なのかもしれません。あと、電源ユニットが不安です。日本製パーツを使ったしっかりしたものにどこかで買い換えたいところですね。
そういう不安点はあるものの、動画編集作業の速度が劇的に向上したことに比べれば小さな問題です。なんでもっと早く買わなかったのだろう……と悔やまれます。
以上、自分用のメモも兼ねたPC購入の記録でした。
*1:NVMe: Non Volatile Memory Expressと呼ばれるSSD接続用の規格。SATAなどの接続に比べ、マザーボード上に直結されるため、無駄なく高速転送が可能になっているようです。