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日常茶飯事とお仕事と

ステップ数での作業見込み

近くで、比較的小規模なツールを数人で作るチームが、設計→実装の段階で躓いている。


実装者はスキル不足。まだVB.NETの基礎的なところを勉強しながら、今回のチームで初めてものを作ってみようという状態。それに対して、クラス図やシーケンス図などを交えた設計書をもう一人の若手さんが作成して出すのだが、「どうやって作っていいか判らない」という回答が実装者からは返ってくる状態。

その上司も交えて、設計はいつできるのだ、という話になっているのだが、その設計者の若手さんが実装者に気になる一言を。


「3000ステップくらいになるので、1日で750ステップ書けば終わるよね」


その見込みステップ数なるものは、正しいのか?また、実装者さんは、それを見込み通りに作れるものなのか?


ステップ数ってのは相変わらず廃れることなく規模感の掌握などに使われているけれど、実装前のもののステップ数を正しく見積もって、実装者がその見込み通りの規模、期間で実装するには、

  • ある程度実装手法、記述ルールが定まっている。
  • そのルールが浸透している。
  • 実装者は、機械的に指定された処理を記述できるくらいプログラミングに習熟している。

なんて条件が揃っていることが必要だと思う。いや、あくまでステップ数ベースの見込みを実現するには、ですよ。ステップ数指向の是非はおいておいて。


今回このいずれも満たされていない状態で、「3000ステップ」って一体どうやって出した数字?また、上司さんはそれをそのままテーブルに載せて料理してもいいの?3000ステップ、って具体的に書けるくらいになってるなら、それはもう「作り終わってる」んじゃないの?(笑)。

ソフトウェア見積り―人月の暗黙知を解き明かす

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