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日常茶飯事とお仕事と

アーキテクチャの徹底

今抱えている仕事、メンバーの誰もが、目の前の細かい設計にこだわっているように思える。システムとしての方向性、アーキテクチャに誰も目を向けない。よくないなぁ。システム設計に限らず、そう、家の壁の色にしても、隣の家とのバランスだけを見ていたのでは、町全体の統一感は出てこない。全員が「町全体をどういう色にすべきか、暖色か、寒色か」というくらいの意思統一は行っておかないと、まちまちな色に仕上がってしまうのに。
一つ前の仕事、といっても今もまだ東京で進行中だが、そちらは、システムのリプレース(異なる製造元の類似システムでの移行)に際して、旧システムの解析と新システムのアーキテクチャについて2ヶ月ほどかけて全員で話し合い、1本の骨組みについて意思統一を行ってから作業に取り掛かった。結果として、その部分については大きなぶれが出ずに、各自がある程度の独立性をもって設計から実装までに着手できていたようにおもう。それは、結局のところ、迷ったときに拠り所になる基幹の仕様が存在したことが大きかったのかと。
もちろん、すぐに作り始めたい、判る範囲以外は見たくないという気持ちはわかるが、その部品が飛行機の部品なのか、潜水艦の部品なのかをわからずに、どうやって「その部品の最適なあるべき姿」を語れようか。防水設計にすべきなのか、極寒の真空状態に耐えられないといけないのか、家庭用なのか、機能は同じでも、性能や特性は異なってくるはず。
そこまではいかなくとも、全員の方向性を束ねることは必要だろう。そして、それはチームメンバーの各自に自然にわくものではなく、少人数のアーキテクト集団によって束ねられなければならないと思う。今回はそれが欠けている。