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日常茶飯事とお仕事と

クレジットカードの基本的な仕組み

ゲームの掲示版で、クレジットカードの仕組みなどについて多分把握されてない若い人だな……と思われる発言がたまにあって、危なっかしくて怖いので、軽くまとめておきます。

クレジットカード払いとは

クレジットカードでの支払とは、買い物をした際にカード会社が自分の代わりに支払をしてくれる(ように処理してくれる)支払方法です。

  • カード会社が、現金などでの支払を代わりに立て替えてくれます。
  • 利用者はカードを見せるだけで、その場での支払は不要になります(もちろんお店側はカードの情報から、誰が、何を、幾らで買ったかの記録は取ります)。
  • その代わり、支払の翌月末などに、銀行口座からカード会社に1ヶ月分をまとめて支払います。

いわば、カード会社に「ごめん!1万円貸して!」といってお金を借りて支払うようなものです。

クレジットカードの利点

利点(メリット)は下記の通り。まずは利用者のメリット。

  • 現金を持ち歩かなくても良い。
  • 通販やネット通販での支払も短時間で簡単にできる(昔は銀行窓口での振込や、現金書留での郵送など、いろんな面倒な方法を使っており、時間も手間もかかりました)。
  • その時点で手持ちのお金がなくても、支払月に銀行にお金が揃っていれば買い物が出来る。
  • カード会社によっては支払を分割払にしてくれるところもある(大抵のカード会社がやってくれます)。
  • カード利用金額に応じてポイントなどが貯まることがあり、ポイントで支払を代行したり、景品をもらえたりする。

次はお店側のメリット。

  • お店も現金を扱う数が減る(お店で働いてレジの集計作業とかをやったことがある人なら、この良さは分かると思います)。
  • 現金の手持ちがないお客さんでも買い物をしてくれる(今日はお金がないからまた今度、ということが減る可能性がある)。
  • クレジットカード払いの便利さを知ったお客さんが来店してくれる可能性が増える(カード使えないなら買うのやめます、となるリスクが減る)。

クレジットカードの欠点

欠点(デメリット)は下記の通り。まずは利用者のデメリット。

  • 手持ちも、収入の予定も無いのに買い物が出来てしまう(支払能力を超えた買い物が出来てしまうことがあります)。
  • 財布の中にお金が残るわけではないので、今月どれぐらい使ったかがぱっと見で分かりづらい。

次はお店側のデメリット。

  • 実際に現金が支払われるのは後日まとめてなので、売上げの現金がすぐ手元に入ってこない(たとえば、従業員への給料や、日々の仕入などで現金を使う必要があっても、売れた分のお金はしばらく経たないと入金されない)。
  • カード会社との契約で、売上げに応じた「カード利用手数料」を支払う必要がある(しかし、カードが便利だから、と買い物をしてくれるお客さんが増えれば、結果的に店は繁盛するため、手数料のデメリットを打ち消すことの方が多い)。

カード利用者を守るための仕組み

上記の利用者側デメリットにあるように、クレジットカードは便利であるが故に、使いすぎてしまったり、しまいには支払能力を大きく超えた買い物をしてしまい、破産まで行ってしまう人も出る可能性があります。そこで、カード利用者を守るために下記のような仕組みが用意されています。

  • 利用限度額の設定 …… カード利用者の職業、年齢や、それまでの支払/返済履歴から、カードで1ヶ月に買い物出来る上限額「利用限度額」が設定されています。お店でクレジットカードを使うと、その場でカード会社に利用者情報が照会され、利用限度額を超えていれば買い物をさせない(買えない)ようになっています。
  • カード盗難への補償 …… クレジットカード自体を盗まれたり、何かしらの方法で不正利用された場合に、その損害額を肩代わりしてくれることがあります(もちろん限度や例外があります)。

お店側を守るための仕組み

カードが使えるお店側は、手数料を払ってカードを使える仕組みを導入しています。そのため、カード会社はお店を守るためにもいくつかの施策を設けています。

  • そもそもクレジットカードを使える利用者の支払能力(信用)を、契約時の審査で確認し、怪しい顧客にはカードを渡しません …… クレジットカードを持てるのは、カード会社が「この人ならお金を立て替えても大丈夫、翌月末にきちんと払ってくれる」と判断した人だけです。そのため、お店は怪しいお客をある程度除外することができます。
  • 支払能力が無い、過去に返済出来なかった客を識別する …… カードが使えるお店には、カード会社とネットワークで接続されたカードリーダーがあります。カードが利用されると、その中にある個人情報がカード会社に送られ「利用限度額を超えていないか」「過去に未返済や長期間の滞納といった問題を起こしていないか」といった問合せが行われ、問題がある顧客のカードは利用できないようにします(その場で「ご利用いただけません」のメッセージがでて蹴られます)。
  • 実際に返済月に支払えない顧客が買い物したとしても、お店への代金支払はカード会社が行ってくれる …… 顧客が翌月末に銀行残高不足でカード会社への立て替え分返済が出来なかったとしても、買い物をした店舗への支払はカード会社が行ってくれます(取りっぱぐれがありません)。その代わり、その後はカード会社 vs 顧客で取り立てが行われます。お店側はこうした面倒な支払金の回収といった手間を掛ける必要がありません。

また、カード会社や銀行は、返済月に支払が出来なかった顧客の情報を収集し、共有する仕組みを持っています。そのため、過去にそうした「ブラックリスト」に乗ってしまった利用者は、新しくカードを作れなかったり、カードでの支払に制限が付いたりすることがあります。個人情報の悪用だ!と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、このあたりの個人情報取扱についてはカード契約時の契約資料に細かく書いてありますので、何も問題ありません(それに同意した人だけがカードを持つことが出来ます)。

まとめ

とりあえず、カードを使うために最低限理解しておいた方がよいことはこのくらいですかね。実際には、カードの種類や、分割、リボ払いといった支払方法の種類と特徴、また、実際に顧客からお金を回収する仕事の存在や、その仕組み、ネット越しのカード決済のアレコレから、カード自体の中身の仕組みまで、いろんな仕組みや技術が含まれるので、もっと詳しく知りたいかたはご自分で勉強してみてください。

今は解説してくれる良い本も沢山出ていると思います。