高校生になる子供用にPCを1台用意することになりました。本当は中学ぐらいから……と思っていたのですが、諸般の都合によりずれこんだという状況。息子は恐る恐る「パソコンがほしい」と言ってきたのですが、私はそもそも与える予定でいたので即応。拍子抜けしたようです。
予算と選定ポイント
購入に当たっての条件や前提は下記の通り。
- 予算は12万円前後(ディスプレイまで込み)
- イマドキのゲームが動く事
当初、BTOモデルも考えたのですが、後述の通り手持ちのケースと電源があったので、それを使ってむだな「鉄くず」を出さないようにしつつ節約することにしました。正直、イマドキのPCを組み立てるのはほぼ初めてなので不安もありましたが……。
部品構成
先に最終的に選定した部品構成を記載しておきます。ディスプレイ以外で新しく購入したものはいずれもドスパラの通販で購入し、グラフィックカードもPCパーツその他も全部、12~15回の分割手数料無料な分割払にしました。
- CPU: Intel Core i5 14400F (24,780円)
- M/B: ASUS B760M-AYW WIFI D4 ドスパラ限定モデル(9,800円)
- SSD: KIOXIA EXCERIA PRO SSD-CK1.0N4P/J M.2 2280 1TB(11,980円)
- メモリー: Crucial CP2K16G4DFRA32A DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組(7,680円)
- グラフィック:MSI GeForce RTXC 4060 VENTUS 2X White 8G OCドスパラ限定モデル(49,800円)
- 電源:オウルテック製 750W(型番失念、流用)
- ケース:シグマ A.P.O CB007BKNP(流用)
- BD/DVD-Rドライブ: 型番失念(流用)
- ディスプレイ:Acer EK221QE3bi 21.5インチ 100MHz(12,480円)
- OS:Windows 11 Pro(流用)
総額、税抜きで116,520円、税込みで 128,172円。まぁ予算許容範囲です。
CPUとマザーボードプラットフォーム選び
まずこの予算感でゲームが動く……となると、結構シビアです。当初、CPUはAMDのRyzenシリーズにして少し値段を抑えようかと思っていたのですが、どうもIntelのCPUも最新上位製品でなければそんなに高くない様子。別にバリバリ動画編集するといったヘビー用途ではなく、ゲーム関連の処理はグラフィックボードに任せれば良いので、価格と性能のバランスを取って Core i5 14400F を選びました。ちなみに比較対象だったCPUおよびマザーボードの組合せは下記の通り。
- AMD Ryzen 75700X (25,980円)+ ASRock B760M Pro RS/D4 WiFi(14,980円)= 合計 40,960円
- Intel Core i5 14400F(22,980円)+ ASUS B760M AYW WIFI D4(9,800円)= 合計 32,780円(←採用)
AMDの場合、最新のAM5ソケットのマザーにするか、1つ前のAM4で値段を抑えるかという判断がこの前にあったのですが、とりあえず高校3年間とその後しばらく使えればよいということで、将来性や拡張性については妥協する予定でした。Intelの方は、比較的新しい第14世代のCPUではありますが、マザーボードを敢えてMicroATXにして、拡張性を犠牲にして値段を取りました。
メモリーは、MicroATXでこの価格帯だとスロットが2本のものが多く、8GB x2の16GBでもよいかな?とか思ったのですが、16 x2の32GBと価格が1,000円ほどしか違わなかったので、32GBにしました。製品はCrucialの CP2K16G4DFRA32A。16GBの2枚組メモリーです。7,680円。
ストレージ
イマドキのPCなので、M.2ソケットに納まる2280規格のSSDを選択。容量はとりあえずシステム+ゲームが数本入れば……という想定で1TB。KIOXIAの製品が品質の割に価格が妥当だったので、KIOXIA EXCERIA PRO SSD-CK1.0N4P/J を選択(11,980円)。ま、私が以前使っていたSATA接続の1TB SSDが余っているので、足りなくなるようであればそちらを提供する予定です。
ケースと電源
ケースと電源については、20年前の2005年に購入した、SIGMAのメッシュケースを転用することにしました(昨年夏まで私が使っていたものです)。また、電源もそちらに搭載していたオウルテックの750W電源があるので、それをそのまま利用することに。これで2万円ほど浮かせることができました。2005年のケース購入時のブログが残っているのでリンクを置いておきます。
グラフィックカード
ゲームをするには本命となるパーツですが、先日発売されたGeForce RTX 5000番台の製品が今ひとつだったこともあってか、また価格が上がりそうな気配がしていたので、こちらだけ他のパーツ類に先だって注文し、MSIのGeForce RTX 4060搭載モデル、Ventus 2X White 8G OCドスパラ限定モデルを49,800円で購入することができました。こちら、購入後1週間ほどで値段が1~2万跳ね上がっていたので……非常に良いタイミングで買えたと思います。高いけどね……。
で、こちらは、当初私が使っているPCに搭載し、代わりに今私がつかっているASUSのRTX3060を息子に提供しようと企んでいたのですが……結論から言うと失敗でした。私が使っているPCに繋がれている液晶ディスプレイは、DVI-Iコネクターの12年前の製品。そちらに、現在「Display Port・DVI-Iケーブル」でGeForce RTX 3060を繋いでいるのですが、同じようにRTX4060を接続してゲーム「鳴潮」や「ゼンレスゾーンゼロ」をプレイしてみたところ、なんか画面がちらつくのです。
別に3D描画がガクガクになるとかいうわけではなく、なんかちらつく。下手すると目が疲れるレベルでチラチラします。どうやら、RTX4060が出す信号に、古いディスプレイとケーブルが適合しないようです。この原因については、Xの「Grok」に尋ねてみました。すごいですね今の AIサポート機能は……。

というわけで、私のPCは従来通りRTX3060にして、4060を息子のPCに取り付けることにしました。
組み立て
組み立ては、今後息子が自分で何かやるときの参考になるように、1つずつ説明を加えながら横で見させる形で実施しました。事前に、もともとケースに入っていた私の古いマザーボードを、Core i7 4770 やメモリーごと取り外し、脇にどけた状態で作業開始です。新しいマザーボードに、長方形のCore i5を取り付け。

次に、CPUに付属していたリテールファンと、SSDを取り付け。ファン付属のヒートシンクにはあらかじめ正方形に熱伝導シートが貼ってあるので、そのままCPUに載せて4隅の留め具を回すだけで取り付け完了です。お手軽。また、M.2 2280 SSDは今回初めて取り付ける部品。ソケット自体には固定機能は付いていないようで、マザーボード付属のゴムか樹脂で出来た「アンカー」を使って固定しました。

なお、ここでマザーボードの説明書には「付属のSSD用ヒートシンクを取り付けて……」という記述が。あちこち探してみたのですが、マザーボードの同梱品には無い様子。ドスパラにもサポートフォームから尋ねたのですが「分からん。メーカーに聞け」というつれないお返事を頂きました。仕方なく自分で少し調べたところ、このモデルのマザーボードには元々付いていないようです。では、SSDにヒートシンクが必要か?という話なのですが……どうも「無くても有っても良い」みたいな感じなんですね。確かに高速連続処理になると発熱で、処理速度の低下が起きるでしょうけれど……。よく分からないので、後日、Amazonで700円ほどの銅製放熱板を購入して取り付けました。
次に、メモリーを挿して、マザーボードをケースに取り付けます。私が使っていたケースは、マザーボード固定にはネジは1本しか使わず、その他の部分は側面の板に取り付けられた爪のようなフックで引っかける形で取り付けるタイプ。これまでATXサイズのマザーボードしか使っていなかったので、MicroATXのネジ穴の位置にフック金具やネジ用の足を移動させて取り付けました。

ここで、ケース側の電源スイッチやUSBポート、HDDアクセスランプなどの細いケーブルとマザーボードの端子を接続するのですが、1点問題が。HDDアクセスランプのコネクター、ケース側はジャンパーピンのような形の3芯用コネクターに、2芯のケーブルが繋がっているのですが、マザーボード側の端子は3芯用ではなく2芯コネクターになっており、形状の問題で刺さりませんでした。幸い、アクセスランプはまぁなくても大丈夫なので、接続せずにスルーしました。
最後にグラフィックカードを装着して終わりです。

古いATXサイズのケースのため、手前に3.5インチ、2.5インチの増設スロットが並んでいますが、いまやハードディスクがメインドライブではなくなってきているので、この規模のPCだとガラガラです。時代ですね。
OSインストール
というわけで、ここまで来たら最後はWindowsのインストール。Windowsは前に私が購入していたライセンスがあるので、それを流用したのですが、1点途中で問題が。今回採用したマザーボードには、WiFi機能が付いています(外付けアンテナがついているのです)。それがあるので、とりあえずインターネット接続は無線でいいや……と思っていたのですが、このドライバーがCD-Rに入っているんですね。今回、前に使っていたBD-Rドライブをとりあえず取り付けていたので、Windowsインストール途中でのドライバーインストールからの無線LAN接続まで行えましたが……このあたりについてはマザーボード付属マニュアルなどにも何も書いてありません。昔からインストール作業をやっていた私とかには、「まぁドライバーはこのあたりにあるよな」と分かるのですが、ここは最近の人には厳しいかもしれませんね。もし同じマザーボードではなから無線接続を想定している方は、その辺りの準備、下調べを事前にやっておくことをお勧めします。
で、無事組み上がり、インストールまで終わりました。Windowsのインストール、ライセンスの都合で何か引っかかるのが怖かったので、とりあえず私のマイクロソフトアカウントでインストールした後、ローカルの管理者アカウントを作成。息子用としてそちらでログインできるようにして作業終了です。

最後に
高校生になったところで、「ゲームも出来るように」パソコンを与える事に対しては賛否あるかもしれません。ですが、原神などの掲示版等でのやりとりを見ていて、若い人たちがスマートフォンだけに縛られて、必死に貴重な時間を使ってストレージのやりくりをしたり、親と交渉したりするのを眺めていると……こんな無駄な事は無いなと思いました。で、そういう無駄な作業から子供を解放し、「パソコンとスマートフォンの上手い使い分け」を身につけ、将来うまくお金を使い分けながら、道具としてパソコンやスマホを使って目的を果たしていってほしいな……という願いからのパソコン提供です。
一応、本人には「ゲームも含めたうまい付き合い方を身につけ、高校3年間の当座の目標を見失わないように」との釘は刺してあります。実際、上の子の時もそうでしたが、ゲームとかにもある程度触れて「目新しさ」を感じなくさせておくことで、肝心な場面でゲームにどハマりしたりすることを回避できるというのもあります。確かにゲームなどの娯楽は無駄と言えば無駄ですが、それでもある程度は体験させ、納得するまで遊んでみて、その上で「そのぶん、やるべきこともやろう、と思わせる」。そういう方針、作戦を立てた上での対応です。おなじような世代のお子さんをお持ちの親御さんも、それぞれのお子さんの性格や家庭環境に上手くマッチしたやり方を考えて、きちんと指針や枠組みを立てた上で、こうしたガジェットや最近のソーシャル系のコンテンツと上手く付き合って行ってください。