インテル製の13、14世代 Core i シリーズCPUの不具合問題が話題になっていますが、私が先日購入したPCのCPUも、14世代の「Core i7 14700」なので、ちょっと気になってBIOSアップデートと設定変更をやってみました。インテル社からの発表内容や巷の噂がよく分からないので、正直私が使っているCPUが該当品番なのか、判断にこまっているのですが、念のためです。
ASUS社の発表内容
私が使っているPCのマザーボード製造元、ASUS社からは、Core i7 14700「無印」は不具合の対象外とのアナウンスが出ています。
該当箇所の引用はこちら。
Q2: Kシリーズ以外(Non-K)プロセッサーにもIntel Default Settingsを適用するべきですか?
A2: いいえ、Kシリーズ以外のプロセッサーの動作はデフォルト設定で安定しているため、設定を変更する必要はございません。当社の新しいUEFI BIOSでは主に第14、第13世代 のKシリーズプロセッサーの既定値を再定義しました。周波数マルチプライヤーがロックされおり動作の安定しているKシリーズ以外のプロセッサーの場合は、最適なパフォーマンスを得るためにPerformance Preferencesの既定値は[ASUS Advanced OC Profile]に設定されています。
ですが、巷の噂では「Kの有無にかかわらず、13世代、14世代全体の問題」という話もちらほら聞くので、安全のためにBIOS更新と設定変更を行おうと思います。
BIOSアップデーターダウンロードとインストール
BIOSアップデーターは、ASUSのダウンロードセンター(https://www.asus.com/jp/support/download-center/)からマザーボードの型番などを指定すると入手可能です。私の場合「PRIME H770-PLUS D4」だったので、それに該当する最新のBIOSアップデートファイルをダウンロードしました
ダウンロードしたZipファイルを展開すると
- BIOSRenamer.exe
- PRIME-H770-PLUS-D4-ASUS-1661.CAP
の2ファイルがはいっています。これをFAT32でフォーマットしたUSBメモリーにいれ、PCに挿して再起動。F2キーを押しながら起動してUEFI BIOS設定画面を開き、そこからアップデートを実行しました。具体的な方法は「 https://www.asus.com/jp/support/faq/1012815/ 」に記載されています。
ここまでは良かったのですが、私の場合、下記の点で一瞬行き詰まったので注意してください。
- UEFI BIOS画面でUSBメモリーを指定する際に、どのドライブかがよく分からなかった …… 結局、ダウンロードしたファイル「PRIME-H770-PLUS-D4-ASUS-1661.CAP」が表示されたドライブがUSBメモリーだと判断して選択した。
- アップデート実行後、再起動した後、電源は入っているがディスプレイ暗転状態。電源ボタンのLEDがゆっくり数秒ごとに点滅という状態で止まってしまった …… どうやらBIOSの起動ドライブ設定が初期化されたことでUSBメモリーを起動ドライブと見なしてしまったようで、システムドライブが見つからず止まっていたっぽい。5分以上待ってもそのままなので、思い切ってUSBメモリーを抜き、電源ボタンを押していったんシャットダウン。その後、再度起動で解決。
ただ、上記2番目の「電源切って再投入」の際に、英文で「BIOSのアップデート中はUSBメモリーを抜くな」的なメッセージが出て冷や汗をかきましたが、メッセージを消したところ、英文長文で「このままBIOS設定画面を出して起動するならF1を押せ」とのメッセージが出たので、F1でUEFI BIOS画面へ。そこで後述の設定を行ってから設定保存/終了。無事PCは起動してWindowsが立ち上がりました。
CPU設定の変更
CPU破損を防止するための設定ですが、ASUSのUEFI BIOS Utilityの場合、設定箇所は「Ai Tweaker(Extreme Tweaker)」の中にある「Performance Preferences」という設定項目になります。この設定はドロップダウンリストタイプで下記選択肢が出ますが、そのうち1つ目の方を選ぶとインテル推奨の「安全と思われる」設定になります。
- Intel Default Settings
- ASUS Adnvanced OC Profile
いずれを選んでも英文でずらっと警告が出ますが、そのまま先に進めて問題ないです(……と思います)。
ベンチマークで速度変化を確認
今のPC購入時のベンチマークと、3DMARKでの結果を比較してみたのですが、正直「大して変わらない」と思える結果でした。
設定変更前 | 設定変更後 | |
---|---|---|
Graphics Score | 8,669 | 8,367 |
CPU Score | 13,736 | 14,101 |
Total Score | 9,176 | 8,910 |
トータルのスコアが少し下がっていますが、CPUのスコアは上がっているという。要するに「その時の動作状況による変動幅に収まるレベル」の誤差だとおもいます。もちろん高負荷状態の連続稼働、動画エンコードなどを行うと処理時間差が出るのかもしれません。しかし、エンコード時間の数分や10分20分の差を気にするような使い方はしていませんし、そもそも買い換え前のPCに比べたら「数倍」レベルでの性能向上があるので。気にする必要無し。むしろ、無印Core i7 14700も不具合対象だった際の破損リスクを回避というメリットの方が大きいと判断して、このまま使うことにします。
参考までに、PC買い換え時の記事リンクを記載しておきます。
ライセンス認証が外れてしまった
BIOS更新から数時間。ふとディスプレイの右下を見ると「ライセンス認証されていない」というメッセージが。どうやら、BIOS更新で「別のPC」と判断されてしまい、Windows 11のライセンス認証が解除されてしまったようです。「設定」の「システム」から、ライセンスのネット経由自動認証を行ってみましたが駄目。しかたなく、電話でのラインセンス認証を行いました。フリーダイヤルの番号と、7桁ぐらいの数値が9個表示されるので、それを電話経由で伝え、最後に帰ってくる番号を打ち込めば終わり……ですが、これがなんと自動音声と音声認識に対応しているのですね。
以前同じようなことを仕事でOfficeの認証で行った際は、自動音声に対して電話のダイヤルボタンで番号を打ち込んだのですが、なんと今は、口頭で番号を言えばそれを聞き取ってくれます。もしやとおもい、スマホの番号入力で番号を打ち込んでも認識してくれました。なんというか、すごいですね。
それでもそこそこ面倒な手順で、10分ほどかかりましたが、表示された番号を伝え、結果の番号をSMS経由でスマホに送ってもらい、それを画面から打ち込むと……ライセンス認証済に。ちょっと冷や汗が出ましたが無事作業完了です。