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日常茶飯事とお仕事と

ScanSnap等のスキャナーで大量スキャンする場合の注意点

先日ついに裁断機を買ったと書いた流れで、しばらく大量スキャンの日々になりそうなので作業上の注意点をメモしておきます。同じような状況の方のお役に立てれば幸いです。

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紙がバラバラであることを確認する

背表紙の糊が原因の場合

本や雑誌にはいくつかの「綴じ方」がありますが、背表紙がしっかりしたものは大抵、糊で固めて背表紙に紙を綴じ込んでいます。この背表紙を裁断機などで切り落とす際に、あまりギリギリを切りすぎると紙に背表紙の糊がくっついたままになり、数ページが繋がってしまう事があります。

背表紙の糊が残って紙が繋がっているケース

この状態のままスキャンしてしまうと、スキャナーに取り込んだ際にくっついた別のページがついてきてしまい、下図のような紙詰まりを起こす原因になります。

紙詰まりを起こしたScanSnap iX1400

複数枚の紙をスキャンする際は、必ず各ページをパラパラ……とめくって変な繋がりやくっつきがないことを確認しましょう。

ホッチキスなどでの紙綴じが原因の場合

同じような状況は、学校からの資料などのようにホッチキスで留められているものをスキャンした場合にも起こります。針を取り除いても、針が通った穴のフチが立体になってしまい、次の紙の穴にめり込んでいることで紙がくっついてしまうことがあるためです。

この場合、手間ですが紙を斜めに広げてバサバサとやったり、場合によっては1枚ずつ丁寧に剥がして、くっつきを防止してください。

また、針を取り除き忘れた場合は、下手をすると金属製の針でスキャナーの画像撮影部分のガラスを傷つけたりする可能性もありますので注意してください。

湿気や異物によるページのくっつきを確認する

前述の内容に近いですが、紙同士がくっついてしまっていると、同じように紙詰まりや重送(ダブルフィード)が発生してスキャンが中断されたり、紙がぐしゃぐしゃになってしまうことがあります。下記のような事がスキャンする紙束に起きていないか確認しましょう。

  • 湿気で紙がくっついている
  • 食べ物のカスや、輪ゴムといったものでページがくっついている

前者の湿気についてはどうしようもありませんが、事前に紙束をすこし斜めにずらして「パラパラパラ……」とすることで、紙同士のくっつきを少し改善したり、べったり貼り付いたものを見つけることができます。

後者の「異物混入」、書籍などの場合、チョコレートのようなものや、醤油などの味がついた煎餅の破片などが挟まると確実にページ同士がくっつきます。また、雑誌にありがちなのが「輪ゴムで付録などが束ねて同封されていたものが10年ぐらい保管され、ゴムが溶けてしまって貼り付いている」といったケース。これは綺麗に取っておかないと、スキャナー自体にも汚れが移って後のスキャンに支障が出る可能性があります。特に古いモノの場合にありがちなので注意してください。

輪ゴムが溶けて表紙にくっついている例

フィーダーに大量に紙を載せない

フィーダーとは、スキャナーが紙を取り込むために紙をどさっと載せるところです。大抵の個人用スキャナーであればスキャナーの後部情報にクチが空いており、そこに紙の幅に合わせてスライド式のガイドと紙を載せる台が着いているはず。アレですね。

ほとんどのスキャナーは、ここから紙を1枚ずつ自動的に抜き出してスキャン、その後排紙していくのですが、このときに「束ねておいた紙の、一番下から抜いていく」タイプのスキャナーの場合、沢山紙を載せすぎると重みで以下のような事が起きます。

  • 重さで押さえつけられて次の紙も一緒にくっついてくる(重送、ダブルフィード)
  • 重すぎて紙を引っ張り出せず、スキャナーが紙を取り込めない

だいたいスキャナーのフィーダーには「ここまで紙を入れてもいいよ」という線が描いてあるのですが、それもあくまで標準的な状況での話。紙の厚みや種類によっては、厚さと重さは違ってきます。ですので、分厚い本や雑誌をスキャンする場合、一度にどさっと載せるのではなく小分けにして、スキャンの状況を見ながら手で紙を継ぎ足していった方が安全です。

後者の紙を上手く取り込めない場合、スキャナーが紙を取り出すためのゴム/ウレタン製ローラー「ピックローラー」が劣化してしまい、紙との摩擦が起きずに滑っている可能性もあります。この場合はローラーの清掃か、数年経過している場合は交換も視野に入れて対応する必要があります。このあたりの部品は消耗品ですので気をつけてください。

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スキャナーのセンサー部分の汚れを綺麗にする

スキャナーは、紙を挟み込んでローラーで移動させながら、横長のセンサーで紙面の画像を線のように撮影し、それを繋げて1枚のページ画像を作っています。センサー部分は大抵ガラスで覆われているので、センサー自体が直接汚れることはありません。しかし、この「ガラス面」に汚れが付着すると、スキャナーは汚れとスキャン対象を区別できずに読み取ってしまい、結果、「1枚のページに長い縦線が入る」という結果になります。

センサー汚れで白い縦線が入っている例

捨てる雑誌を保管しておきたい、ぐらいであれば、文章が読めればまぁ問題無いのですが、大事な書籍や資料の場合は綺麗にしておきたいところです。この場合、スキャナー内のセンサー部分を布などで綺麗にするしかありません。大抵の場合、直接目視で見づらい構造になっていますので、可能ならば「綺麗に洗って脂分を落とした指」でセンサー部分を軽くなぞると、雑誌の背表紙糊などの付着であれば触感で汚れを見つけることができます。だいたいの位置が判ったら、布などで拭って綺麗にしましょう。

スキャナーセンサーの汚れを綺麗にする

もし落ちづらい汚れの場合は無水アルコールなどで拭くのも手ですが、ゴムや樹脂製のローラー部分などに触れてしまうと破損の可能性があるので自己責任でお願いします。

また、何度綺麗にしても線が出る場合、ローラーなどに紙の粉がついてしまい、それがガラス面に落ちている可能性もあります。ローラー部分等についてはメーカーが純正のクリーナーを出しているので、不安な場合はそちらを買うのが確実です。

まとめ

ここ10年ぐらい、「自炊」という言葉が本などの電子化をあらわす意味でも使われるようになって、自分でいろいろやっている方も沢山いらっしゃるかと思います。スキャナーも道具なので、きちんと手入れをしたり、使い方を守らないと良い結果が出なかったり、長く使えないこともあります。それぞれのやり方があるかとおもいますので、上記の内容も参考にしつつご自分の「やり方」を確立していっていただければと思います。