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日常茶飯事とお仕事と

ついに裁断機を買ってしまった

買ってしまったのです。雑誌や本を切るために。

経緯

部屋の片付けで、そこそこな分量の「2000年頃の技術系雑誌」が出てきました。こんな感じのが3山ぐらいです。

古い雑誌の山

IT技術系の雑誌、20年経つとほとんどのものがまぁ古くなるわけです。ネットワークの基礎知識のような、今でもそんなに変わっていない部分もあったりしますが、やはり今の事をやるには今の情報に触れるのが筋。となると……売れるものでもないです。かといって、20年前、まだ仕事を始めて数年レベルの時に毎月1,500円前後をかけて買いためた雑誌、ちょっと捨てるのも惜しいなと思い、どう扱うべきか決められずにいました。

そこで、いつものスキャナーの出番です。カッターナイフで雑誌の背表紙を落とし、スキャンして電子雑誌化してしまえば場所には困らないし、まぁ読まなくても「持ってる」ことで考え事が減り、安心できます。で、やってみたのですが……

カッターで雑誌を切ってスキャンしてみた

……超絶面倒くさい。まず、分厚いので一発でなんて切れません。また、サイズが大きいので30センチの金属枠のある物差しでもガイド仕切れないので、上半分、下半分でカットし分けないといけない。それを、数ページずつ切り分けていく。だいたい1冊の雑誌で最低でもカットするだけで15分ぐらい掛かってしまいます。おまけにカッターを扱うので気も使うし、ちょっと力をかけ損ねるとまっすぐ切れなかったりする。

これはお金をかけて楽な方法を考えた方が良いのでは?となりました。今更ですけどね。

裁断機を検討する

そこで、以前から書籍などを自分で電子化する、通称「自炊」をやるひとたちの必須アイテム「裁断機」です。以前からちょっと考えてはいたのですが「いや、そこまでやるわけじゃないし、高いしかさばるし」と敬遠していました。しかし、今この数山出てきた雑誌などを短期間で、手間を掛けずに、精神的に負担もなく片付けるには?と考えると使えるものは使った方が良いのでは?という考えに至りました。

まずは価格帯の検討。今やりたいのは1.5センチぐらいの厚さまでの結構しっかりした紙質の技術系雑誌を大量に片付けるという作業。なので、あまりライトなものでは対応できません。たとえば学校などにあったプリントをスパッと切るこういうの。これで厚さ1.5センチの雑誌を切れるとは思えません。

また、ロータリー刃をスライドさせて切るタイプもありますが、やはり「薄い枚数をサクッと正確に切る」が目的で、書籍サイズは想定してないんですよね。

となると、やはりマジマジの「裁断機」というやつになります。ざっと調べて、個人で購入できるものの候補はこのあたりでした(10万円を超えるような業務機であればもっと種類があります)。

それにしても思ったより高いものなのですね。そして、ブレード(刃)も消耗品ですし、おもしろいのは刃を受ける下地部分も交換可能になってます。要するに買って終わりではなく、使い続けるならばメンテナンスコストも出るってことですね。まぁ想像はしていましたが、はい買いましょう……というには高い買い物になりそうです。他の手もないか考えてみます。

レンタルや中古を検討する

とりあえず、価格も比較的手が届きやすく、評価もそこそこ良いPLUSの製品を候補に考えてみます。まず最初に上がったのは「レンタル」。Twitterなどでも相談したところ、レンタルはいいですよ、という意見を頂いたので検討してみました。結論は……自分の用途にはちょっと向いていないかな。です。

たとえばここなどがレンタルを行っています。スキャナーもセットに出来るとは至れり尽くせりですね。

rental.pandastudio.tv

ただ、値段を見てみると裁断機だけで1日2,500円~3,500円ぐらいが相場のようです。他のサービスもいくつか見てみましたがそんな感じでした。こうなると「借りている期間内に作業を片付けないといけない」わけですね。そして、10日借りたならもう新品を買った方が安いという世界になってしまいます。

残念ながら、処理したい雑誌は大量にあり、また、さらに子供の学校の教科書などもちょっと置いておきたいモノがあるのでじわじわと裁いてスキャンしたいという用途も考えています。そうするとこの価格はちょっと高いんですよね。

明確に作業対象の分量が見えていて、たとえば一時的に編成された開発プロジェクトなどの現場で資料が大量にある。裁断してスキャンしたい……といった、規模が明確であればレンタルも悪くないかなとおもいましたが、自宅で隙間時間で作業したいというような、ダラダラしたケースには合わないなというのが正直な感想でした。

次は中古を見てみましょう。判りやすくメルカリで「裁断機」で検索してみます。

メルカリで「裁断機」を検索してみた例

結構出てます。今回検討対象にしているPLUSの製品もあり、だいたい10,000円~15,000円ぐらいで売買されているようですね。ただ、内容を詳しく見てみると状態が今ひとつよくわからないのです。前述のように、裁断機の「ブレード」は交換式で、当然のことながら大量にカットしていれば刃は徐々に切れなくなってきます。この「ブレード」の替え刃、いくらかかるのかと調べてみたら

Amazonで2022/4/17時点で9,409円。メーカー希望価格は10,455円。結局、中古で買っても刃こぼれなどを起こしていた場合、プラス1万円で替え刃を買わないといけないということです。そしてこの「切れ具合」は売り手のコメントと現物を見るまでわからない。というか多分見ても判らない。

これは……ですね。ちょっとギャンブル要素が出てきます。そして、12,000円で買ったとしてもハズレを引いて替え刃まで買う必要が出てくると、結局22,000円以上の出費と買い足しという手間が出るんですね。

ということは、一番ハズレが少なく確実なのは……

  • 新品を27,000円で買う。
  • あるていど使って不要になったらメルカリなどで1万円前後で売る。

という結論になりました。

新品購入

というわけでAmazonde注文しました。

翌日到着。本体重量13キロ(笑)。段ボールのテープを切って上蓋を開けた途端、段ボールの蓋が押さえていたハンドルが飛びだしてきました。びっくりです。

PLUS PK-513LN 26-309 段ボール開封

カットする線を明示するためにLEDランプがついているので、電池を入れる必要があります。電池ケースは裏面にあり、本体13キロをひっくり返す必要があります。

PK-513LN 26-309 裏面の電池ケース

裁断してみる

早速裁断してみます。LEDのランプを付け、裁断したい辺を奥にして雑誌を入れ、ラインをみながら切る線を確認……なのですが、これがちょっと見づらいです。手元の雑誌は背表紙が糊で固定されているタイプなのであまりギリギリをカットするとページの根元に糊が残ります。かといってあまり大きく切ると本文をカットしてしまう可能性が。ということで「だいたいこの辺かな!」と当たりを付けないといけません。これはしばらく使って感覚を掴む必要がありそうです。

雑誌を裁断してみる

ハンドルの左上に安全装置のレバーがありそれを指で押しながらハンドルを下ろさないとハンドルが動きません。この安全装置はいいですね。で、雑誌を置いてからカットするラインを決め、レバーを押してハンドルを少し下げ、そこから両手で体重をかけてグッ!と押し込みます。しばらく押していくと「ガチャ」という感触が返ってくるのでそこが裁断完了のようです。

カットした背表紙はこんな感じになりました。

カットした雑誌の背表紙

少しピンボケで申し訳ないのですが、よくみるとまっすぐではなく少し台形になってしまっています。やはり、押し切る際に本がすこし歪むので、完全にまっすぐ切れるというわけではないようですね。

また、Amazonのレビューにあったのですが「切断面が汚れる」というもの。これが少しだけありました。こんな感じです。

切断面が少し汚れた

レビューではこれが結構酷いという表現で書かれていたのですが、正直きになりませんね。おそらくブレードについている油などが移ったものだとおもいますが、切ってからはスキャンして捨てる予定なので、これについては再製本とかをしないなら気にする必要は無いと思います。

裁断可能な厚みですが、手元の雑誌だとこれが限界でした。ほぼ1.5センチ。裁断機のスリットにギリギリ入るサイズしたが、なんとかカットできました。

カットできる最大の厚さはここまでです
最大厚のカット後背表紙

これを越えると、そもそも裁断機のカット用スリットに入りません。もし分厚い書籍や雑誌をカットする場合は、事前に背表紙から切断して分割裁断するしかなさそうですね。

まとめ

安い買い物ではありませんが「なんでもっと早く買わなかったんだ!?」というのが素直な感想です。ただ、1点だけ難点が。これ、収納どうすればいいんでしょうか???(笑)。ハンドルは立った状態のまま固定されるため、サイズを小さくすることが出来ません(無理矢理閉じた状態で固定することもできるでしょうけれど、おそらくブレードには良くなかったりしそうです)。デカイ、重い、という点だけ解決できるなら、スキャナーによる書類の電子化を行うひとは買って損はないアイテムだとおもいますので、迷ってる人……「どうせ買うんでしょ!早く買った方が利便性を長く享受できますよっ!」と言わせていただきます。買いましょう。