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父親のFacebookアカウントから怪しいメッセージが来ていた

Gmailに来ていたFacebookの通知から、父親からこんなFacebookメッセージが来ていたことに気づきました。

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父親のFacebookアカウントから来ていたメッセージ

内容はこんな感じです(URLは#と*に置換しています)。

私のlineのアカウントはロックされました。解除するには、何人かの友人の確認が必要となりますので、下のlineのサイトにログインして解除していただけますか
www.###****.top

いや、怪しいだろ……と思い、とりあえず78歳の父親ではなく母親のLINEにメッセージを。とりあえず最近のログイン履歴を観るよう指示するも、父からは母親経由で「何もしないから大丈夫」との回答……いや、何もしないのが一番やばいんだよ!!ということで、父のLINEアカウントと通話。

危なさを伝えるのが難しい

危機感ゼロの父に「こういう手口で悪い奴が何をしようとしているのか」をざっと説明。本人のFacebookアカウントで出来る事なんて知れているけれど、そこから「助けてあげないと!」と善意で不正サイトにアクセスした人に「ご本人であることを確認するためにLINEのパスワードを入力してください」みたいなページに飛ぶんだよ、ということを説明。さらに、LINEのアカウントでは今はいろんなことができるので、悪い人の狙いはそっちなんだということも説明しました。伝わるかなぁ……むずかしいよなぁこのあたり(親の世代ではこんなものは無かったのだから当然です……)。

また、自分が恐れたのは、父親と同世代の友人達がFacebookで繋がっていた場合、根こそぎ不正サイトに誘導されて被害に遭う可能性。なので父親の友人を観てみると、二人だけ??息子である自分と……もう一人。

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だれだよ!!!ww

だれですか?ローマの友人なんていた?って聞くとしらないとのこと。どういう人かは存じませんが、とりあえず悪い人にアカウントを乗っ取られて知らないひとと友人設定された挙げ句、唯一の友人である自分の息子に不正URLを送りつけていたということまでは判ったので、パスワード変更するよう指示をしました。

70歳以上の相手に現代のネット犯罪を説明する難しさ

いやぁ……難しいですね。悪人の狙いが直接対象を攻撃するのではなく、悪人自身にすらまだ見えていない先の目標に至る「中間点」として個人が狙われ、利用されるので、当人に被害を受けている可能性や具体的に起こりうることの実感を持ちづらい。

母親には「たとえばFacebookで大学や職場の友人が50人いたとして、全員に児童ポルノとして扱われるような写真を送付されたら……社会的にまずいことになるよね?」といった例で説明。「80近くの爺さんがなにやっとってんや、って言われるわなぁ」と実感してくれたようですが。実際には踏み台として使われるだけで被害はもっと先にいる誰かになる可能性が高い。また、踏み台利用であれば犯人からすれば「緩いセキュリティの相手なら誰でも良い」なわけで。このあたりも被害を受けた人が自分に危機感を持てない一因だと思います。

また、リンクをクリックするだけでそんなことまでできるのか!?という点。これも説明しづらい。Webサイトや通信の仕組みどころか、スマホiPadとパソコンで観てるFacebookがそれぞれ同じものなのかどうかすらあやふやな相手に、ネット犯罪の仕組みを説明するのは至難の業です。

なので、このあたりは「被害を回避するという目標だけに絞った、高齢世代にもわかるような何か」をきちんと用意して周知する仕組みを社会として用意していかないとやばいんじゃないかな……、とあらためておもいました。

自分の親は辛うじて面倒みられるとしても、よその老人まではちょっと手がまわりませんからね。他の人からそういうメッセージが来たりしたときに自分の親を守り切れるかどうか。自信ありません……。

高齢者向けのセキュリティ教材など

多分こういうジャンルってビジネスになるんだろうな……と思ったら、やはりありますね。こちらなんかはセキュリティソフトのカスペルスキー静岡大学で作成した教材だそうです。

kasperskylabs.jp

こちらは静岡の東海コミュニケーションズというプロバイダーが作成されている特集ページ。やはり、セキュリティオプションの売り込みアプローチの1つとして「老人も含めたファミリーセキュリティ」的な観点というのはニーズがあるんだろうなと思います。

safety.t-com.ne.jp

あと、こういうNPOなんかも出来ていたりするようですね。

www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp

こちらに寄せられた被害や事例の情報はなぜかInternet Watchにまとめられていました。

internet.watch.impress.co.jp

自分達の親が間接的に加害者にならないようにするためにも、こういう事例も含めて、裏側の仕組みなどもある程度は勉強していかないとだめですね……。でも、個人でできることには限界があるので、やはり「各世代に合わせて不足しているものを補う社会的な仕組み」ってのは、この先新しいものが出てくるたびに更新しながら作っていく必要があるんだろうな……とも痛感しました。