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日常茶飯事とお仕事と

新人研修で特定業務の特定知識を叩き込んでも応用は利かない

新人研修が途中で打ち切りに近い形になり、本来やる予定だった簡単な開発プロジェクト模擬実習なども無くなってしまいました。その流れで人事課長さん達からは「残りの半月でできるところまでやってもらえないか(プロジェクト模擬実習を)」「仕事で使うツール等についてだけでも講義を……」と言われたのですが、基本的に「無理です」で蹴りました。この先出てくる知識は相互に関連しあったものが多く、何か1つだけ断片的に覚えたところで、確かに記憶には残るかもしれませんが「学んだ。使える」にはならないモノばかり。カリキュラム自体もそのあたりを考慮して2ヵ月前後で流れの中で学ぶことを想定しているので、つまみ食いは難しいです。と説明してもどうも理解してもらえないのですね。別に理解されなくても、少なくとも20年以上開発やらなにやらをやってる人間が、教材を作った本人が言ってるのだから聞き入れなさいよ……と思うのですが。どうも相手の言葉とか意見よりも、自分がどうおもっているか、の方が重要な方々らしく、納得してもらえた感はありませんでした。

そんな中で、とりあえず少し時間はあったのでSubversionやらGitやらの概念だけでも、と思い、ホワイトボードと実際のSubversionやGitLabなどの差分表示などでこんなことができる、というのを紹介しておきました。

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GitLabにあげた手テキストファイルの差分表示例

研修を通して、こちらは「この先どんな仕事が来ても受け止められる応用力の基礎」を身につけて欲しいと思っていたのですが、どうも会社は違っていて……「今の主要顧客の業務知識をまず身につけるべきだ」と言ってきます。違うだろう?と何度も議論しましたがダメでした。上記のような「差分」の考え方も、仕事の中で何度も作っては直して、消してを繰り返すファイルをどのように保管したり、衝突しないようにチームで管理していくか。こういうことはどんな仕事が来ても必要なノウハウなので、下手な業界知識よりもまずこういう「チーム戦の基本ルール」を学ぶべきだとおもったのですが……。

実際には、コロナウイルス対策でタダでさえ減っている時間の、貴重な数十時間(以上)が「特定業種のお客さんのビジネス知識学習」で埋められてしまいました。残念です。

「コイツ会社に反発してる」というのが伝わるくらい、研修を通して色々話したので新人達は薄々感づいてくれているとおもいますが……。この先遭遇する「先輩たち」や「自称エンジニア」の中には、みんなの役に立たないことを延々と語って教えようとする人達が混じってます。くれぐれもそういうのにつきあって無駄な時間を過ごすことがないようにしてもらいたいものです。