4月からまた新人研修が始まります。今年はビジネスマナーやらドキュメントやらを「しっかりやる」とのことで(昨年までがしっかりやれていないと言われているようで非常に不本意ではあるのですが)、いろいろと準備されているようなのですが……。そもそも自社内を見ていて私が知る「一般的にやるべきこと」に到達出来ていない点や、先輩方が実際に出来ていないことが多々あるように思います。後々忘れないように、とりあえずここにメモっていきます。
作業を依頼する、受ける際に気をつけること
人に作業を依頼する際、相手が気持ちよく作業を始められるかどうかは案外作業指示の言い方一つで決まったりするものです。以下は、指示を出す側が気をつけないといけないことです。
- 目的を明確に伝える …… 作業内容を細かく伝えることはもちろんなのですが、その先、依頼した作業がなんのためのもので、依頼した作業が全体のなかのどこに位置するかを伝える。これをやるかどうかで相手が「言われたことだけしかやらない」か「指示に抜け漏れがあったり、突発のトラブルが出ても柔軟に対処できるか」が変わってきます。
- 期限を伝える …… いつまでの作業かを伝えることで、相手が今抱えている作業との優先順位を入れ替える必要があるかどうかがわかるため、相手は自分の仕事を管理しやすくなります。
- 連絡先やサポーターの有無を伝える …… 単独作業なのか、困ったときに助けを呼べるのかを明確にすることで、相手に安心感や緊張感を明確に持たせることが出来ます。
逆に作業を受ける側が気をつけることは以下の通り。
- 作業を依頼する側の注意事項に照らして漏れを確認する …… 作業指示を出す側も完璧ではありませんし忙しいです。もし指示に漏れや不安な点があれば最初に聞けるよう、自分も作業を依頼する側の観点で指示内容をチェックできるとよいですね。
- 期限や成果物に関する制約事項を確認する …… 特に成果物の具合については、フォーマット、名称なども含めて案外双方の思惑がずれることがあります。特に初めての相手などとの仕事では、こうした見た目や外見の部分は早めに詰めておいて、肝心の中身に集中できるようにすべきです。
- 作業環境や場所の制約を確認する …… 特定のツールや環境で無いと行えない作業でないかを確認すべきです。こうした部分は準備に時間が掛かる場合もあり、もしかしたら依頼された期限に間に合わない可能性もあります。
人を招集する際に気をつけること
会議や打ち合わせで人を集める際の注意事項です。新人などはまだ人を呼ぶ側になることは最初はないかもしれませんが、徐々に簡単なプロジェクトやチーム作業で会議室確保や会議招集の作業を依頼されることもでてきますので、押さえておくべきです。また、先輩達のやり方をぼんやり眺めるのではなく、どうやっているかを以下のような観点で見ておくと習得も早いでしょう。
- 会議の議題やタイトルを明確にする …… 「会議」や「打ち合わせ」といった漠然とした内容ではなく、支障がなければ明確に内容が分かるタイトルを付けましょう。これにより参加者は安心できますし、場合によっては準備を行いやすくなります。ただし、会議予定などが公開され、内容が周知されると問題がある場合は、あえて伏せるということもあります。
- 参加基準を明確にする …… 招集者が相手を特定する場合は招集側が強制的に参加者として指定すべきですが、参加者が自分で参加要否を判断出来る場合、参加する/しないをどうやって表明するかについての取り決めを事前に行っておくべきです。たとえば打診のメッセージに対する「いいね」のような応答がつけば参加である場合「参加の意思があるかたはいいね、でお知らせください」と書き添えるなどする、といったように、きちんと「どうすれば参加できるか」「欠席を表明するにはどうするか」を明示すべきです。
- 議題を明確にしておく …… 可能な限り、議題、いわゆるアジェンダを事前に用意して参加者に共有しましょう。何をどれくらいのボリュームで話すのかを共有することで、無駄な時間や想定外の延長を防ぐことも出来ます。
レビューに関する注意事項
資料やプレゼンテーション、意見、成果物、様々なものが仕事の中で作られますが、いずれもたいていの場合誰かにチェックされて世に出て行きます。そのチェックを「レビュー」と呼びますが、それもいくつか注意すべき事があります。
レビューする側の注意事項は以下の通り。
- 相手の人格否定につながる批判を行わない …… あくまで成果物をよくすることや、相手の間違いを正したり指導することが目的ですので「こんなものを書くお前はダメだ」といった、相手の人格を否定するような発言や意見は出すべきではありません。仮にどうしようもないものばかり作る、本当に能力やスキルが足りていない人の場合、それをレビューの場でこきおろしてもむしろ周囲の人に悪い影響や悪印象を与えるだけです。問題があるならば、そうした問題を明らかに出来る評価制度を設けるなど、別の手段を講じるべきです。
- 可能であれば修正指針や方針を明示する …… だめだ、までは誰でも言えます。仕事として人の成果物をレビューする立場にあるならば、ダメだしだけではなく、どうすれば良くなるのか、どうして欲しいのかを相手に伝達出来なければなりません。相手のやりかたを完全に殺すのではなく、なるべく活かしつつよりよくする方法を提示できてこそ良いレビュワーです。そのためにはレビュー対象に関する基礎的な知識をレビューする側が持ち合わせている必要もあることに注意してください。
- レビュー記録を残す …… これはレビューする側、される側どちらでも良いですが、レビュー後に見返すことが出来る資料としてレビュー内容を記録すべきです。これはあとから「言った」「言ってない」といった不毛な議論を回避し、せっかくの指摘内容を無駄にしないためでもありますし、また、レビュー後に対処したかどうかのチェックリストとしても利用できます。
- 優先度を明確にする …… 仕事の納期や提出先との関係性によって指摘内容それぞれに優先度が付けられるはずです。これを明確にしておくと指摘を受けた側も対処がしやすくなります。
レビューされる側の注意事項は下記の通り。
- まずは受け入れてみる …… 頑張って作ったものが酷い評価を受けることも仕事のなかでは十分起こりえます。苛立ちもするし腹立たしいこともあるかもしれませんが、相手も自分の時間を割いて成果物をみて、それいついて建設的な意見を述べてくれているのですから、まずは聞き入れてみましょう。その上で、異論や反論があれば整然と伝えるべきです。言いなりになるのでは無いにしても、まずは聞く姿勢を持つことがよりよいものを作る秘訣でもあります(もちろん、レビュー者が先に述べた事をきっちり行っており、ある程度妥当な指摘を行って居る、という前提のもとでのはなしですが)。
- レビュー指摘への対応は記録を付けながら行う …… レビュー記録などに完了日時や改善内容の概要を記録しながら、どこまで何をやったか、何が出来ていないかをきちんと記録し抜けや漏れがないようにしましょう。
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