エンジニアは仕事以外でも勉強すべきかどうか、というエントリーに対してはてなブックマークのコメントなどでいろんな意見が集まってますね。
自分も「体を鍛えるのと同じじゃないか?」というコメントをつけているのですが、結構、このブログエントリー自体に反発している人が多いのに驚きます。
正論に反発する人たち
で、ざっと軽く見た感じだと
- 単に正論に対して自分の立場から実現性を検討して不可能すぎるから反発している。
- 自己研鑽を「会社のため」だと決めつけているため、自分の時間を使うことに反発している。
というパターンがありそうに思いました。
前者はどうしようもないです。一般論を軽く流せず、自分観点でしか見られないのであればその人はそれまでです。別にそれでも困らないのであればそれでよいでしょうし、そこに対して良し悪しもないのでスルー。
後者は……ちょっと難しいですね。会社を全ての基準にしすぎている、いわゆる「社畜」予備軍か真性の社畜かのどっちかに思えてしまいます。
会社は、自分に対して給料を払ってくれているのであって、自分に価値がなくなればそれまでです。まぁ、それまでとも言い切れずに給料を払い続けてくれるところが多いので今のありさまになっているのでしょうけれど。なので、自分自身の価値を高めるのは自分のためであり、会社のためではありません。結果的に会社が潤うことはあっても、まずは自分です。
もちろん、所属する会社が以下のいずれかでやりがいやモチベーションも変わってくるでしょう。
- 自己研鑽に時間やコストを掛けてくれる親切な会社
- そこは自分でやってくれ、結果、会社が助かるなら何かしらの支援や対価を考える、という会社
- 上記のいずれでもない会社
しかし、上記の3番目の会社だったとしてもその会社に入ったのは自分ですし、そこから脱出しない選択をしているのも自分。脱出するだけの技能を備えていないことを嘆いてなおかつ動こうとしないのも自分。結局は自分なんですよね。モチベーションの持ち方や維持はそれぞれやり方があるので一概には言えませんが、やった分は、今いる会社じゃなくてもいつか誰かが評価してくれたり、自分に返ってきますから、できることはやっておいた方がよいですよね。それに尽きるかと思います。
育児や家庭とどう両立する?
あと、育児や家庭のこと、今の仕事などで忙しくてそんな暇がないという意見もありますが……それは「そうなる前に十分な知識的貯蓄をやっていたかどうか」だと思います。急な環境の変化に晒される人は残念ながら仕方ありませんが、いわゆる「順当な人生」を歩んでいる人はある程度何がどうなるかの予測ができたはず。なので、若いうち、まだ自由な時間と気持ちが持てる時期にいかにがんばったか、また、頑張る術をそこで学んだかでその先の大変な時期の乗り越え方が変わってくると思います。
忙しい時期は人生誰でもあるので
- 今はそういう時期、と決めて貯蓄を削ってしのぐ
- それまでに修得した効率の良い学びを継続してなんとか並行させる
- 出来る範囲で細々と手を止め無いようにだけする
このどれかを採るしかないかと。そもそも、両立だけが選択肢ではないのですが、選択できるカードが「無い」時点でもうどうしようもありせん。今今だけ見たら「手遅れ」としかいいようがないかと。
たとえフルパフォーマンスが出なくても、蓄積があればなんとかなりますし、状況はいずれ変わります。子供はいつか手がかからなくなりますし、忙しい仕事もいつかは終わります。そこを「しのぐ」という意識が持てるくらいの下地を常に作るようにしていけば問題ないはずなのですが……それをやっていない人が今更どういう言ったところで、手を差し伸べる気にもなりませんから私は泣き言はスルーするようにしています。
両立しない選択を取れるだけの準備をしてきたか、それだけのことかと思います。
そもそも勉強って
あと、勉強勉強言う人ほど「勉強」に対して固定的な考えを持っていたりします。私が思う「技術系の勉強」は、何も参考書を読んだり新技術を常に追い求めるだけではありません。普段の生活に登場する技術やシステム、サービスの裏側を推察したり観察したり。また、お金の流れやビジネスモデルについて疑問を持ったり。
電車のなかで中吊り広告を見ているだけでも膨らむ想像や推測ってのが本当はあるはずで。そういう観点でものを見続ける。それが勉強の一つの側面だと思います。
なので、時間が無い時間が無いって言っている人は「あなたが思う勉強をやる時間がない」だけで、スタイルの違う「学び」のタイミングはそこらじゅうに転がっているはず。
それにいつ気づくか。
それもポイントだと思います。
羨ましがってる時間でなにかやれ
「よくあなたはそんなにいろいろできますね」「そんなの自分にはできない。おかしいのじゃないか?」とかよく言われますが、私からしてみれば、そうできないあなたと私は違う人間なのだから同じであるはずがない。それだけのことです。ってことで愛想笑いして終わりです。自分にできないことを嘆くならまだしも、自分と違うメソッドを実践している人を否定しにかかる人などもたまにいますのでまったく呆れるばかり。
勉強、そんな難しいことではありません。常に何かやってればそれが学びです。
気づいてほしいですね。早く。
以上、なんとなく思ったことを書き連ねてみました。
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