テレビで広島の式典が放送されていました。総理の声は聞きやすく、しゃべるペースも悪くないですね。演説ってのは内容も大事ですが、まずは「聞いてもらえる」という第一関門を突破する表現力も内容と同じくらい重要だなぁ、と思いながら聞いていました。
twitterでこんな意見を見て、完全に同意とは行かずとも、珍しくまじめなことを考える引き金になったので書いておきます。
- @rudel101さんのツイート
- https://twitter.com/rudel101/status/364537649991651329
確かに。学校やテレビが8月6日に言う「ゲンバク」のことと言えば、火の海を逃げ惑う、皮膚がどろどろになった人たちの赤色主体の絵面と、「ゲンバクを使うのは怖いことだからだめだ」という話ばかり。怖いからだめなのであれば、大量に人が死ぬ怖い戦争や殺人という行為と何が違うのか、なぜ米国や最先端の科学者がその判断に至ったのか、そもそも原子力って何なのか?スイバク、というものとゲンバク、というものは何が違うのか、そんなことを教えてくれる人は誰一人居なかったなぁ。
怖いから、目をつぶって、うつむいて、自分たちは同じことをしないようにしましょう、で他国を説得なんかできるはずないじゃないの…。ねぇ。
怖いからだめ、という教育の結果、「見た目に何も起きないから怖くない」ので「バケツで放射性廃棄物を片付ける原子力関連施設の職員」みたいなのが沸く。管理運営する側も同様。被害や事故はうまくやれば「目に見えない」ので隠す。そして大事故を起こす。
さらに、初めて「見えない汚染の恐怖」を体験してパニックに陥る国民。放射能と放射性物質と放射線の区別も付かない。
地震は自然災害だったけれど、その後の原発事故は完全に長期熟成した教育の結果発生した、「成果」といっていいくらいの出来事だったんじゃないかと思う。あれだけ毎年毎年、8月が来るたびに全国民に見せつけてきた原子力の威力と恐怖に関する教育が、こんな形で花開いてしまったことを、広島と長崎で無念の死を遂げた人たちはどう感じるのだろうか、と思うとやってられない。教訓はほとんど活かされず、長い時間をリソースを費やした行動は単なる儀式を確立させただけ。
せめて自分たちの子供くらいには、「力を誤って用いることの危険」という観点から、その最たる例として原子力や核エネルギーというものがどういうものかを教えていきたいですね。
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