(冒頭部分だけを読んでの感想です。中盤以降は非常に参考になる本だと思いました)
基本的な考え方はたしかにトラディッショナルな、教科書通りのテスト技法なんですが、特に冒頭の部分に限って言えば、今の開発環境にはそのまま適用できない、という印象を受けました。今の、複雑に絡み合ったクラス構造を持つソースなどを、机上デバッグするなんてのはあり得ないと思います。
また、行程をきっちり分けるやりかたも、せっかく高速に実装できる環境があるのなら、動かしてみるというステップを早期にいれ、顧客に実物を見てもらってシステムテストで露見しがちな「思っていたのと違う」を事前に回避する、なんてことができないため、少々古くささを感じます。なんというか、「今は新しい方法も出てきている」ということに触れられていれば良かったのですが、どうもそういうのを完全に無視して、今まで通りの説明に終始しているのが私は気に入らないですね。
というわけで、やはり、新人がこれで学ぶと危険かも。逆に、今までのテストを知る人が、改めて自分たちがやってきた手法をきちんと整理して見直すにはいいかも。そんな気がしました。
中盤の、各テスト用語について詳しく説明してるのは良いと思います。